きっと観劇した方がみんな幸せに

劇場を後にした作品。

明日は星組観劇なので早めに帰ろうって

観劇仲間と約束したけど

とてもそのまま帰れない。

できれば

そのまま劇場に残りたい気分。



幕が開いた瞬間から魅入られ

作品の流れがとてもよい。

流れる音楽の心地よさと共に

舞台も途切れることなく動く

その上、

役者のやる気が伝わってくる。

主人公を取り巻く人々や

末端にいる人まで物語があり

セリフのない芝居が所々で湧く。

すべての役者に愛情を持った脚本。


緒月遠麻さんと怜美うららさんが

慈愛に満ちたシューマン夫妻

孤高のブラームスを朝夏まなとさん。

クララ・シューマンの着るグレーの

上質なドレスが物語るように

静かに落ち着いた演技で

この三人を中心に物語は始まる。


有名な音楽家が登場する。

ベートベン、リスト、ワーグナー。

狂言回し的にヨーゼフ・ヨアヒム役で

澄輝さやとさん。


ベートベンはブラームス自身か

彼の分身かのように登場。

難しい役を凛城きらさんが好演。

かなりの自由に空間を奪っていく。


リストはさすが新公主演経験者。

愛月ひかる。

登場からしてピアノの魔術師。

堂々と存在感を示して

スケールの大きさを感じさせた。

新公主演経験ってスゴイ事ね。

そんな自信を感じました。


ワーグナーは春瀬央季さん。

はじめてきっちりしたセリフを聴いた。

作者の愛情を感じる言葉。

こういった経験は大切。

立ち姿や歩く姿が綺麗。

一瞬、瀬奈じゅんさんかと思った。

まだまだこういった人が

埋もれている宙組。


いい音楽にいい脚本。

生徒それぞれが生き生きと演じ

本当に至福の時間でした。