京都の八坂神社の向かいの角に、

『八百文』という果物屋さんがあった。

建物がとてもレトロで、

一階が果物屋さん。

二階がフルーツパーラ。

祇園さんへ行ったら、

必ず寄るのが楽しみだった。


二階に上がると、

ちょっと窮屈な感じで、

席が並んでいた。

昔の汽車の座席のような

感じで背中合わせに

ソファが並んでいる感じ。


初夏は無花果のパフェ。

無花果は家の庭になっていて

大好きな果物。

ここで食べるととてもお洒落に

生クリームがかかっていた。


いつも行くわけではないけど、

祇園へ行ったら必ず寄る。


でも、もう、なくなりましたね。

甘味屋の長蛇の列は、

抹茶パフェで有名な店。


でも、

『八百文』の方が、

ずっと美味しかった。

旬の熟した果物を贅沢に使っていて、

これぞ、

果物屋さんの良心って感じ。


フルーツーパーラーって

もう一軒、

梶井基次郎作『檸檬』で

有名な『八百卯』さんも閉店。


果物屋さんの二階の

フルーツパーラーで食べるのって

ちょっと贅沢で好きだった。