冷泉家とは、平安時代末期から三代続けて
勅撰撰者となったお公家さん。
藤原俊成、定家、為家を祖にもち、
歴代が宮廷や武家の歌道師範をつとめた家柄.。
冷泉家は京都は御所の北側。
今出川通りに面している。
同志社大学の間に挟まれているから、
大学の裏門と思って、
知らない人は通り過ぎてしまう。
子供の時に、その門をくぐったことがある。
平安時代からのお公家さんの家やでと、
一緒に行った親に教えられた。
光源氏が今にも出てきそうな蔀戸(しとみど)。
当時は、所々に傷みが一目でわかって、
年月の長さを悟ったように思う。
書道をはじめて、かな文字をお稽古して
冷泉家の偉大さを改めて感じる。
あの、当時は傷んでいた家の中に、
こんなにたくさんの、
貴重な典籍、古文書類、宸翰(天皇の書)を
脈々と守ってきたということ。
それは、代々に渡ってどれだけの
努力、工夫をして守ってきたか・・・
家の見た目より、中身が肝心なのだ。
それは、人も同じだね。
時空をこえて、当時の書物が
目の前に、並んでいる。
感動して、目元が熱くなった。
もう、気持ちは一気に
源氏物語の世界へ。
妄想に拍車がかかる。
その、文字の一字一字に、
表装の趣味の良さに・・・
人は、本当に進化しているのか。
退化しているのでないか。
そんなことを思って、
当時の愛を詠んだ和歌に幸せをもらった。