通し狂言 菅原伝授手習鑑
<筆法伝授>
書道の大家でもある菅丞相は
帝の命を受け、その筆法を
弟子に譲ることに。
呼び出された武部源蔵は、
女房戸浪を伴い、
菅丞相の館を訪れます。
源蔵夫婦はかつて、
菅丞相に仕えていましたが、
不義のため、
勘当を受けている身の上。
久々に師に会えるうれしさ、
申し訳なさ、
貧苦の生活の恥じらい…
複雑な心境です。
弱冠二十歳の市川染五郎が、
源蔵を演じます。
大人の役ですが、
危なげなく見ていられます。
(お正月の浅草で、
堂々と武智光秀を
演じていましたので、
分かってはいました。)
今後、役を掘り下げて
スケールの大きな役者に
成長していくのが
楽しみです。
松本幸四郎丈、
初役の菅丞相。
高貴さを表せる、
得難い任です。
どうしても、
長く菅丞相を演じてきた
片岡仁左衛門丈と、
比べてしまうところは
ありますが…
前回、
2020年2月に上演された
「菅原…」では、
仁左衛門丈が菅丞相。
そのとき、菅丞相の奥方
園生の前を演じたのは、
今は亡き片岡秀太郎丈。
よく更新されていたブログ、
今も残されています。
打掛に戸浪を隠し、
密かに菅丞相に対面させる
情け深い役でした。
このときの戸浪が、
今回は園生の前…
中村萬壽丈です。