通し狂言 菅原伝授手習鑑



<道明寺>


都を追われる途中、
道明寺の里、伯母覚寿の元に
身を寄せている菅丞相。

菅丞相をさらい、
敵の時平方に渡そうとする
企みが起こります。

偽の迎えに応じて
出立したのは、
実は丞相の木像
…という奇蹟が起こります。

企みを起こした者たちは
命を落としますが、
「自分がここに
留まらなければ、
こうならなかった…」と
嘆く菅丞相。

伯母や娘苅屋姫と
辛い別れをして、
流刑の地に旅立ちます。


今回は松本幸四郎丈

初役の菅丞相(Bプロ)を

観劇しました。



これまで長く菅丞相を
勤めてきた片岡仁左衛門丈。

今回は芸の伝承の意味もある、
ダブルキャスト上演でした。


仁左衛門丈の菅丞相は、
5年前に見ました。

今回の上演では、
覚寿は、中村魁春丈。

5年前のときは
玉三郎丈だったので、
その見せ方の違いを
非常に感じました。

魁春丈は気骨のある中に
悲しみを秘めた印象。

これまでに見た
魁春丈の役々の中でも、
最も良かったと感じます。


立田の前の、片岡孝太郎丈。

夫や舅の悪事を諌め、

殺されてしまいます。


情け深さ、哀れさ、
心に残ります。