本朝廿四孝 十種香


八重垣姫、濡衣、
簑作実は武田勝頼の3人だけ…
濃密な時間。

歌舞伎座などとは違う
小さなこの劇場が、そう
感じさせるのかもしれません。


米吉さんの八重垣姫は、
今の彼等身大のように
若さゆえの情熱を感じます。


新悟さん…女方としても
八重垣姫ではなく
濡衣が似合う芸風。
(とは言え、
新悟さんの八重垣も
いつか見てみたい…)

芯がしっかりとしていて、
この館に言わばスパイとして
入り込んだ裏の面も
感じさせます。


橋之助さん、
じっくり観るのは久しぶり。

この役は何もしない難しさ、
がありますが、しっかりと
勝頼になっていました。


与話情浮名横櫛 源氏店


切られ与三郎、
世話物の中でも、役者を選ぶ役。

隼人さんはぴったりと
はまる、すっきりとした姿。

…仕草ひとつひとつ、

それらしく見えます。



お富の米吉さん。

かわいい女方と言われて

久しいですが、

こういった仇っぽい役も、

そつなくこなすように…



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


2つの演目ともに、

若手の皆さんが

充実の舞台を見せてくれました。


若いと思っていた皆さんも、

来年残留の橋之助さんと

莟玉さん以外は、

30代になったそう…

時の早さを感じます。