歌舞伎座初春大歌舞伎、

通し狂言 十六夜清心

 (いざよいせいしん)、視聴。

 

 
(あらすじ)

 鎌倉極楽寺の僧である清心は、遊女の十六夜と深い仲であることが発覚し、女犯の罪で寺を追われてしまいます。清心と十六夜は心中を決意し二人で川へ身を投げますが、十六夜は舟遊びをしていた俳諧師白蓮と、船頭の三次に命を救われます。一方の清心も死にきれず、岸辺にたどり着くと、再び入水するか思い悩みます。そこへ通りかかったのは寺小姓の恋塚求女。癪を起こして苦しむ求女を介抱した拍子に懐にある大金に触れた清心は、その金を奪おうとして揉み合ううちに求女を殺めてしまい…。
 清心と十六夜という美男美女の心中物として人気の本作は、僧侶と遊女の心中事件と実在の盗賊をモデルに河竹黙阿弥が描いた、心地よい名ぜりふにあふれた世話物。幕末らしい退廃的な美しさが物語全体から漂います。

〈歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人」より〉

 

 

美しい所化(修行中の僧)清心と、

なじみの遊女十六夜の、

心中シーンから始まるこの物語。

 

 

本来は「小袖曽我薊色縫」という、

長い長いお芝居。

 

初演当時は、

当時起こった御金蔵事件を

モチーフにしていることから、

お上からの

上演禁止の憂き目にあった作品だそう。

 

その後、十六夜と清心のくだりのみが、

「花街模様薊色縫」として上演されています。

 

 

特に十六夜と清心の

心中にまつわる部分は、

清元の名曲「梅柳仲宵月」とも相まって、

歌舞伎の演目の中でも

よく知られ、たびたび上演されています。

 

 

清心の役はこれまでに、

孝夫時代の片岡仁左衛門丈や

十二代目市川團十郎丈、

尾上菊五郎丈、

最近では菊之助丈でも見ました。

 

この役は松本幸四郎丈にぴったり、

いつか見てみたいと思っていました。

 

なんと今回が初役だそう。

劇場ではありませんが、

こうして配信で見ることができ感激です。

 

 

今回は通し狂言のため、

美しい十六夜清心だけでなく、

後の悪に染まった二人の姿も

見ることができます。