歌舞伎座十二月大歌舞伎「吉野山」視聴。

「義経千本桜」の一幕。
兄頼朝から追われ、
吉野山に身を隠す源義経。

義経の後を慕って、

慣れぬ山道を旅する静御前。


つき従う佐藤忠信、実は⋅⋅⋅

静御前の携える「初音の鼓」を

親と恋い慕う、狐でした。



松緑丈の武骨さのある忠信。
七之助丈の美しい静御前。

この2人の共演は、珍しいです。


松緑丈の忠信、
写真はこちらから見られます。

松緑丈インタビュー



いつもと異なる上演形態ですので、

気付いたことをメモ。


清元と竹本で演奏されることが多いですが、
今回は竹本のみの演奏。

逸見藤太や花四天は、なし。


忠信の登場まで、かなりの間、

静がひとりで踊ります。

「徳若に御萬歳とは⋅⋅⋅」や、

「わがつまが⋅⋅⋅」のくだりもひとり。


忠信が出てからは、

「雁と燕⋅⋅⋅」という曲で、2人で踊ります。

有名な「男雛女雛」も、なし。


忠信の戦物語では、

錣引きのくだりから静も加わります。


静の踊る分量が多く、

静の役者の力量が問われるようです。

短い場面でぐっと惹き付ける、

忠信の存在感も⋅⋅⋅


全体的に硬質な感じで、

松緑丈の芸風にも

合っているように思いました。


原作である、

人形浄瑠璃の形に近いのかもしれません。

機会があったら、

文楽の「吉野山」も見てみたい。