(はなくらべぎしのかおみせ)、視聴。
コロナ禍による上演時間制限のもと、
いわば『超高速忠臣蔵』。
忠臣蔵にまつわる、いくつかの物語を
つないで進行していきます。
出演者の芯として、
松本幸四郎さん、市川猿之助さんがいますが、
若い世代に花を持たせているのも
見どころのひとつ。
口上人形 の案内で、物語は始まります。
〈鶴ケ岡八幡社頭の場〉
「仮名手本忠臣蔵」の大序と同様に
物語が進みます。
権力をかさに着て嫌味たっぷりな高師直、
我慢できずに切りかかる、桃井若狭之助。
「仮名手本⋅⋅⋅」とは異なる方向に
話が進むと思いきや⋅⋅⋅
塩冶判官・・・中村隼人
桃井若狭之助・・・松本幸四郎
足利直義・・・坂東新悟
顔世御前・・・尾上右近
高師直・・・市川猿之助
足利直義の高貴さ、
新悟さんの立役は新鮮です。
高師直の憎々しさ。
猿之助さん、このような老け役を難なく。
〈桃井館奥書院〉
先ほどの刃傷沙汰は、
桃井若狭之助の夢であったという展開。
桃井家の家老加古川本蔵が
高師直にわいろを贈ったり、
殿中での刃傷沙汰の際、
判官を抱き止めたことを苦々しく思う若狭之助。
本蔵の娘で、
大星由良之助の嫡男力弥の許嫁である小浪。
二人が結ばれることは前途多難ですが、
桃井若狭之助は心を砕きます。
桃井若狭之助・・・松本幸四郎
小浪・・・中村米吉
井浪伴左衛門…松本錦吾
小浪のような娘役は、
もうすっかり手に入っている米吉さん。
〈稲瀬川々端〉
赤穂浪士赤垣源蔵が討ち入りを前にして、
兄の元に暇乞いに訪れます。
折悪しく留守で会えず戻り道、兄嫁に出会い
それとなく暇乞いをするという物語。
講談などで「徳利の別れ」として
上演される場面だそう。
赤垣源蔵・・・中村福之助
姉おさみ・・・市川笑也
龍田新左衛門・・・大谷廣太郎
町人五助・・・市川猿三郎
町人三次・・・市川喜猿
福之助さん、このように台詞が
たくさんある役はほぼ初めてのようです。
歌舞伎座で一幕を任されるという貴重な経験。
2時間ほどの上演時間ですが、
見どころたっぷりです。
後半はまた。