八月花形歌舞伎、
「加賀見山再岩藤ー岩藤怪異編」視聴。

「加賀見山再岩藤
(かがみやまごにちのいわふじ)」という作品は、
「鏡山旧錦絵」のパロディーと言うか、
後日談として作られた物語。

中でも早替りのある、
この「加賀見山再岩藤」は、
「三代猿之助四十八撰の内」に数えられる、
おもだか屋ゆかりの演目。


今回は、上演時間に制限があるため、
「岩藤怪異編」として上演されました。
上演時間は休憩も含めて、
2時間足らずにまとめられています。

コロナ禍での対応であり、
エピソードをかなり
端折っているところもあるようです。

しかし、
短い時間で見ることができる
このような形での上演は、
今後も望まれるような気はします。


主演、六役早替りの猿之助丈の代役として、
坂東巳之助丈、奮闘しました。

収録は、20日から復帰した
猿之助丈のものです。

猿之助丈は六役の中でも、この岩藤が
一番はまっているような気がします。


お家騒動の元になる、
多賀家の主人、多賀大領の放蕩。
一家の中で、善悪入り乱れての展開。
(歌舞伎ではよくあるパターン。)

善人側、梅の方付きの腰元たちと、
悪人側お柳の方付きの奥女中の
対比が面白いです。


二代目中老尾上の雀右衛門丈。
若手のこのメンバーの中で、
深みを増して見えます。

雀右衛門丈の尾上、
猿之助丈のお初で、
「鏡山旧錦絵」を見てみたいと思いました。