八重桜、満開になりました。

〽今を盛りの 花の山

〽遅桜 まだ蕾なり花娘
寺子戻りの道草に てんと見事な色桜
雛草結ぶ島田髷 はしたないやら 恋じゃやら
(長唄「手習子」より)



寺子屋帰りに、蝶と戯れ道草を食う、
おませな女の子の姿を描いた歌舞伎舞踊。

春ののどかな風景と共に、
少女の一瞬の輝きを切り取った作品です。

元は七変化の舞踊、
「杜若七重の染衣(かきつばたななえのそめぎぬ)」。
寛政4(1792)年江戸河原崎座にて、
四世岩井半四郎による初演だそう。


この舞踊「手習子」は、
日本舞踊のお稽古の初めに
取り上げられることが多いようです。

逆に普段の歌舞伎公演で
上演されることは、
めったにないようです。

私が見た「手習子」は、
七世尾上梅幸丈、
当代の中村雀右衛門丈、
いずれもテレビ放送でしたが、
強く印象に残っています。

舞台ではこちら、
中村京妙丈で拝見しました。