昼の部の、
「三人吉三巴白浪」を視聴。

お嬢吉三、お坊吉三、和尚吉三、
「吉三」の名のつく3人。
お嬢吉三。
年若い、女装の盗賊という役柄。
普段は女方の時蔵丈ですが、
伝法な雰囲気が醸し出されています。
お坊吉三。
もとは武家育ち、という背景を
しっかりと感じさせました。
和尚吉三。
ぱあっと広がる大きな存在感の芝翫丈。
橋之助時代の若い頃を知るだけに、
その熟成ぶりは、感慨深いです。
この3人を中心に、百両の金、
庚申丸という刀、そして
人々の運命が巡り巡る物語。
作者河竹黙阿弥の得意とするところです。
今回の公演では、
「土左衛門伝吉内の場」が
上演されていません。
重要人物の土左衛門伝吉も、
登場しません。
(おそらく、コロナ対応の
時短上演のためと思われます。)
土左衛門伝吉は、和尚吉三の父親。
おとせ、十三郎の父でもあります。
かつて、土左衛門伝吉が
庚申丸を盗んだこと、
その折に、
吠えられた犬を切り殺したことが
すべての発端となっています。
そのことが語られる伝吉内が、
そっくり上演されないので、
分かりにくい面があったかも。
こちらを参考にしました。
(〈歌舞伎 on the web 〉より)
双子のきょうだいとは知らず惹かれ合う、
おとせと十三郎の最期が哀れ。
双子は忌まわしいものとして、
別々に育てられるというのは、
かつて、よくあったことのようです。