下野の歌枕の地、伊吹山へ。

こんもりとした山の中腹に、
古びたお堂がありました。


先日食べた、
「伊吹山」の名のつくお菓子。


「かくとだに えやは伊吹のさしも草
さしも知らじな 燃ゆる思ひを」
(後拾遺和歌集、小倉百人一首)

藤原実方により詠まれたこの句にある
伊吹山のことが気になって、
出掛けてきました。


いざ、石段を登ります

小さなお堂は今は無人。
地域の人に守られているようです。

もう冬枯れですので、
さしも草(ヨモギ)は
見られませんでした。

「伊吹山善應寺」。
観世音がまつられているようですが、
お堂の中はうかがい知れませんでした。
右下:古い手水鉢にも「伊吹山」の文字が⋅⋅⋅


境内奥に鎮座していた、像。
「十九夜」の文字が読めます。

境内には、他にも多くの
十九夜供養塔がありました。

そしてお堂の裏手、伊吹山。
頂上が見通せそうです。

山道などはなさそうなので、
登るのは断念。


しかしここが本当に、
歌枕の伊吹山なのでしょうか?

平安の昔の人が、東国の
こんな小さな山を知っていたとは
信じがたいですが⋅⋅⋅

もし本当にそうならば、
ロマンあふれる素敵なお話です。


石段の脇にあった石像。

道祖神かと思いましたが、
裏側には「平成十一年」の文字が。
歌の作者藤原実方と、
歌を贈った相手、清少納言でしょうか。

ちょっとほほえましい像です。