先日お亡くなりになった
坂田藤十郎丈。

「坂田藤十郎」はもともと、
上方歌舞伎の創始者の一人であり、
その名は、
江戸の市川團十郎と並ぶものでした。

しかし三代目が亡くなった、
1700年代後半から、
200年以上も途絶えていました。


その大名跡を復活させたのは、
平成17(2005)年のこと。
当時、ニュースで知り、
たいへん驚きました。

以前から、いずれ藤十郎になる、
という発言はされていたようですが、
現実のものにしたわけです。

それはやはり、上方和事の芸を
身をもって今に伝えていく、という
使命に駆られていたからでしょう。


藤十郎襲名時の
ドキュメンタリー番組が、
今朝放映されていました。

写真上:初演の「曽根崎心中」。
(戦後を象徴するような、清新な女方。
映画でも活躍され、
当時はアイドル級の人気。
奥様の扇千景さんとは、
映画共演を通して知り合ったそう。)

写真下:藤十郎襲名演目の「夕霧名残の正月」。
(夕霧は三世中村雀右衛門丈。
このお二人は、
12才も歳の差があったのか、と改めて⋅⋅⋅)


番組名は、
「幻の藤十郎~人間国宝・中村鴈治郎の挑戦~」。

放映に当たり、スタジオゲストとして、
長男の当代中村鴈治郎丈と、
ナレーションをなさった
葛西聖司元アナウンサー。

当時すでに人間国宝であり、
70才を越えていらっしゃいましたが、
藤十郎への思いや襲名の喜びを
笑顔で語る姿に、心動かされます。


坂田藤十郎丈の芸の歩みを振り返ると、
扇雀を襲名した初舞台が9才、
鴈治郎を襲名したのが58才。
⋅⋅⋅ここまで約50年。

藤十郎を襲名したのが73才。
⋅⋅⋅鴈治郎として15年。
藤十郎としても15年の活躍だそう。


私が見た、三代目中村鴈治郎、
また中村扇雀としての舞台を
振り返るつもりでしたが、
長くなりましたので、次回に。