「四谷怪談」(公開:1965年、監督:豊田四郎)。

夏も終わりですが、怪談を⋅⋅⋅
怖さよりも、
人間の業の深さを重く感じました。


配役はこのとおり。


先日見た、
6年後の映画だけあり、
知っている俳優が多く出演しています。

特に女優陣はまさに皆、
適役といったところ。


知らずに見始めましたが、
直助権兵衛に、
十七代目中村勘三郎丈が出演しています。

欲のためなら何でもする男ですが、
思いがけない小心さや、
仮の妻おそでとのほのぼのした様子も
軽やかに見せます。


伊右衛門は、仲代達矢。
本作の伊右衛門は上昇志向が強く、
プライドが高い印象。

お岩さまの父、四谷左門を殺すのも、
主家の財産を持ち出したことを咎められ、
士官の見込みがないと悟ったため。

この伊右衛門は、
お岩さまを毒薬で手にかけた後、
残された赤子を背負っていますが、
自分の子どもとして、
愛情は抱いていたのでしょうか⋅⋅⋅



鶴屋南北作の「東海道四谷怪談」は、
映画の黎明期から現代に至るまで、
題材として多く取り上げられています。

怪談としての怖さよりも、
追い詰められた人間の心理が興味深い。
他の作品も、見てみたいです。


もうひとつ「四谷怪談」が公開されています。
その作品の伊右衛門は、
時代劇のスターである長谷川一夫なのだそう。