昨日から今日、映画鑑賞。
「犬神家の一族」。

横溝正史作の金田一シリーズは、
これまでにほとんど読みました。
「本陣殺人事件」、「八つ墓村」、
「悪魔の手毬歌」などなど⋅⋅⋅

複雑なトリックもそうですが、
そこまで追い詰められた背景の描写が、
心を打ちます。

古い因習だったり、血縁関係だったり、
戦争という時代背景だったり⋅⋅⋅


さて、「犬神家の一族」。
1976年バージョンは、これまでにも
テレビ放送などで見たような記憶も⋅⋅⋅

しかし、じっくり見るのは初めて。

金田一役の石坂さん、お若い。
三姉妹の長女松子役の高峰三枝子さん、
貫禄と秘めた狂気。

原作者の横溝正史氏も、
宿屋の主人役で出演。


続いて2006年バージョン。
こちらは30年前と同じ市川崑監督、
主演の金田一耕助も同じ石坂浩二です。
その他キャストでも、
30年前に出演した俳優も⋅⋅⋅

松子役の富司純子、佐清役の尾上菊之助の
実の親子共演も話題になりました。

1976年作品をかなり意識した作り⋅⋅⋅
というより、
意識して真似た作りになっていて、
間違い探しのようでもあり、目が離せません。


歌舞伎では同じ演目を、
役者を替えて上演することにより、
役者の個性、演技の違いが浮かび上がります。

それが歌舞伎の醍醐味のひとつなのですが、
この2作品を続けて見て、
ちょっとそんな気分になりました。

同じ俳優の30年後⋅⋅⋅
同じ役を演じる俳優の違い⋅⋅⋅
30年経った映像技術の違い⋅⋅⋅
など、いろいろな観点から
楽しむことができました。