今月歌舞伎座の納涼歌舞伎。
「闇梅百物語」。

のっぺらぼう、雪女、傘お化け、
狸に河童に骸骨など、
妖しげな者たちが登場。
夏芝居にふさわしい舞踊劇です。

観劇はまだ先なのですが、
大詰で読売が、
「よーいとな」と踊り始める、
「かっぽれ」風のリズムが頭から離れません。


以前見たのは、1991(平成3)年8月。
当時のチラシ。

読売は、中村勘九郎(十八代目勘三郎)。
子息の勘太郎(現⋅勘九郎)との親子の読売。
勘太郎は当時は10歳前後でしょうか、
踊りの勘の良さに驚きました。

雪女郎は中村児太郎(現⋅福助)、
禿(かむろ)として、七之助が踊りました。
このときはまだ、幼かったこともあり
七之助が女形の道を歩むとは
全く思いもよりませんでした。

福助と七之助は叔父甥の関係。
28年が過ぎた今月、
七之助は「先代萩」の政岡という大役。
自身の甥たちの千松、鶴千代君。
時の流れを感じてしまいます。


配役を比べてみました。

      〈今回〉   〈平成3年〉            
白梅****坂東新悟***澤村藤十郎
雪女郎***中村扇雀***中村児太郎(現⋅福助)
禿・新造**中村虎之介**中村七之助
狸*****坂東彌十郎**中村歌昇(現⋅又五郎)
河童****中村種之助**中村橋之助(現⋅芝翫)
傘一本足**中村歌昇***坂東八十助(⑩ 三津五郎)
読売****松本幸四郎**中村勘九郎(⑱ 勘三郎)
子読売****(なし)***中村勘太郎(現⋅勘九郎)
籬姫****中村鶴松***中村児太郎(現⋅福助)