歌舞伎座、昼の部観劇の記録。

工藤は松緑丈。
若い座組の「曽我対面」。
松緑丈は工藤役としては
まだまだ若いのかもしれませんが、
この座組の座頭として十分な貫禄。
十郎は梅枝、
声も通りさすがの落ち着き。
五郎は萬太郎。
普段、ちょっとした役で光っていますが、
今回は主役級の役、しかも荒事。
幼さを感じる、
そこが不思議な魅力となっている五郎でした。
大磯の虎は尾上右近。
喜瀬川の米吉。
お二人とも堂々と、
落ち着いています。
全く不安感なく見ていられます。
小林朝比奈は歌昇。
おかし味のあるこの役、
普段の役どころとは全く異なりますが、
膨らませて演じていました。
八幡三郎、秦野四郎は
鷹之資、玉太郎コンビ。
この二人は
同い年なのかと思っていましたが、
鷹之資が二十歳、
玉太郎はひとつ下なのだそう。
二人とも子役、
そして舞台から遠ざかる学生時代を経て、
歌舞伎への出演が多くなってきました。
鷹之資さんにはどうしても、
父富十郎の面影を探してしまいます。
⋅⋅⋅きっと富十郎丈を知る観客は皆、そう。
でも、そんなプレッシャーを感じさせない、
おおらかなオーラをまとっているようです。
玉太郎さんは、
つい近年まで子役として出演していたのが、
(「法界坊」の丁稚、「加賀見山」の志賀市、
「不知火検校」の幼時、など)
このような大人の役を演じるようになって⋅⋅⋅
という感慨があります。