今月歌舞伎座で上演されている
「傀儡師(かいらいし)」。
20分ほどの舞踊の小品です。
傀儡師とは、
首から下げた小箱から、
木の人形を取り出し操って見せる大道芸。
江戸の世には、
こういった辻に立つ芸人が
多くいたようで、
その風俗を生き生きと描いています。
ただ、傀儡師の源流は古く、
平安時代にはもう存在したようです。
彼らのうちの一部は、後に
人形浄瑠璃の元となったと言われています。
前回の歌舞伎座での上演は、
1991(平成3)年9月だったそうで、
今回はずいぶん久しぶりになります。
そのときの筋書が私の手元にありますが、
私が見たのは昼の部。
「傀儡師」は夜の部だったので、
実際には見ていません。
しかしこのときの舞台がテレビで放映され、
録画したものを、繰り返し見ていました。
傀儡師は九代目坂東三津五郎丈。
幕切れには、たくさんの子役
(おそらく坂東流を習っている子どもたち)
が唐子として登場する演出でした。
この演目は孫の光寿(現⋅坂東巳之助)の
初お目見えでもあり、
唐子の一人として、
祖父に抱かれて舞台に上がりました。
十代目自身も初お目見えとして、
この「傀儡師」で
曾祖父の七代目に抱かれて
舞台に上がったそう。