先日放送された「ファミリーヒストリー」。
今回は、中村勘九郎、中村屋の歴史。

この番組は、独自の取材力で、
驚くような家族の歴史を発掘します。

歌舞伎の家に関しては、
これまでに、市川猿之助さん、
中村獅童さんに関する放送を
見たことがありました。


今回の中村屋に関することで、
覚え書きをいくつか⋅⋅⋅


「波野」家の由来
⋅⋅⋅勘九郎さんは、
サザエさんみたいと言っていましたが、
由来について教えられたことはなかったそうです。

波野はもとは「なみの」
ではなく「はの」だったそう。
曾祖父に当たる三代目歌六が、
父である初代歌六の家、「丹波屋」と、
母方の「平野」から取って付けた姓だそう。


六代目菊五郎の思い
十七代目勘三郎は幼くして、
父三代目歌六と死別。

六代目菊五郎はことあるごとに
後ろ楯のない勘三郎に目をかけ、
自分の娘を嫁がせた。

また、早世した中村福助の子、
七代目芝翫にも芝居を叩き込んだ。

⋅⋅⋅この辺りのことは、
役者さんの芸談などを
読んで知っていましたが、
六代目菊五郎の思いについては、
今回初めて知りました。

それは、六代目自身の身の上
(妾の子という立場、父を早く失ったこと)
から、歌舞伎界において
肩身の狭い思いをしたということ。
そんなことから、
親のいない若い役者に目をかけていたそう。

十七代目勘三郎の子十八代目と、
芝翫の娘好江さんが
後年結婚するというのも、ドラマチック。
(好江さんが初めて勘三郎家を訪れた際、
六代目の写真が飾ってあり、
「同じだ」と思ったそう。)


祖父十七代目との思い出
勘九郎さんは幼い頃、
トラウマになるほど、
祖父に厳しく叱られた思い出があるそう。

共演していた舞台の上での
わずかな失敗に対し、
烈火のごとく叱られ、
押し入れに逃げ込んだという。

今回、母好江さんのインタビューから
明らかになった十七代目の思い。
周囲のお弟子さんたちの手前、
大事な孫に対しても、
自分はこんなに怒るんだということを
知らせなければならなかった、と
泣いて謝っていたとのこと。