初歌舞伎は国立劇場です。
通し狂言 世界花小栗判官
鬼鹿毛(おにかげ)という暴れ馬を乗りこなし、
有名な「碁盤乗り」を見せます。
菊之助の小栗判官は、輝くような美しさ。
二幕目は浪七の物語。
旧主への忠義のために、照手姫を守るべく
壮絶な最期を遂げます。
松緑の浪七は、
「ひらかな盛衰記ー逆櫓」の松右衛門や
「蘭平物狂」を彷彿とさせる骨太さ。
三幕目は青墓宿万屋の娘、お駒を中心とした物語。
祝言の喜びが一転、怨念に変わります。
梅枝は、このお駒と浪七女房、
大詰の武家の奥方と、
全く異なる3役をみごとに演じ分けています。
大詰は、病を得て放浪する小栗判官の復活。
雪の降る中、
小栗判官を乗せた車を照手姫が引きます。
尾上右近の照手姫は健気に、でも堂々としています。
普段は女方がほとんどの時蔵ですが、
細川政元、白拍子漣実は細川政元、
そして万屋後家お槙と、魅力的でした。
菊五郎の風間八郎、舞台にいるだけで
その場を締めるだけの存在感がありました。
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開幕前、1階ロビーでの獅子舞。
舞台の大詰では、
主だった役者さんが並び、手拭い撒きもありました。
今日は、大向うさんはいらしていなかったようです。
歌舞伎座の高麗屋襲名披露公演を始め、
多くの劇場が開いていますので、やむを得ないですね。
今日は急に思い立っての観劇となりました。
ちなみに歌舞伎座の昼の部は、
団体の貸し切りとなっていました。
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小栗判官の物語では、以前亀治郎時代の猿之助が演じた、
「當世流小栗判官」を観ています。(2011年10月)
こちらは小栗判官と照手姫が乗った天馬の宙乗りがある、
おもだか屋らしいもの。
猿之助は、小栗判官、浪七、お駒の3役を演じて魅力的でした。
今回観た「世界花小栗判官」と「當世流小栗判官」では、
登場人物が多少違ったり、
演出が異なったりするところがあるものの、
あらすじは概ね同じでした。