歌舞伎座三月大歌舞伎、今日が千穐楽。
華やかな「助六由縁江戸桜」の舞台、
見てみたかったです。



「助六」はどういうわけか、
夜の部にかかることがほとんどです。

春の夜の吉原での出来事ですから、
夜の上演がふさわしいということなのでしょうか。

ですので、昼の部観劇中心の私は、
これまでに1度しか見たことがありません。


その「助六」は、片岡仁左衛門丈のもの。
(当時は片岡孝夫でした。)
1991年3月歌舞伎座、
揚巻は坂東玉三郎丈でした。

同じ「助六」でも、
仁左衛門丈が演じると、
演目名は「助六曲輪初花桜」
(すけろくくるわのはつざくら)
と替わるのが、おもしろいと思いました。

市川宗家の「助六」に対し、
敬意を示してのことらしいです。

「助六由縁江戸桜」
市川宗家、音曲は河東節。

「助六曲輪初花桜」
片岡仁左衛門家、音曲は長唄。
…といった違いがあります。

他にも…
「助六曲輪菊」(すけろくくるわのももよぐさ)
尾上菊五郎家、音曲は清元。

「助六曲輪江戸桜」(すけろくくるわのえどざくら)
松本幸四郎家、音曲は長唄。

「助六曲輪澤瀉桜」(すけろくゆかりのいえざくら)
市川猿之助家、音曲は長唄。

「助六桜二重帯」(すけろくさくらのふたえおび)
坂東三津五郎家、音曲は常磐津。
…というように各家ごとに、
上演の決まりごとがあるようです。

今後の「助六」、
どれが上演されるでしょうか。
染五郎さんが幸四郎を襲名した暁には、
「助六曲輪江戸桜」、期待しています。