「市川右近改め 三代目市川右團次 襲名披露
二代目市川右近 初舞台      壽新春大歌舞伎」



新橋演舞場の昼の部を観ました。

「通し狂言 雙生隅田川」(ふたごすみだがわ)。
亨保年間、近松門左衛門作、
その後、長い間上演が絶えていたものを、
三代目市川猿之助(現・猿翁)が、
1976年に復活上演しました。

今回は、4度目の上演になるようです。
師である猿翁のもと修行を積んできた
新・右團次の襲名披露には、ぴったりの演目。



右團次さんは、猿島惣太後に七郎天狗、
奴軍助の2役を勤めます。

特に、猿島惣太の切腹の場面では、
かつての猿翁丈にそっくりの熱演。

奴軍助では、本水を使った鯉つかみ、
そして立回り、
切れのいい動きを見せてくれました。


初舞台の右近くんは6歳だそうです。
早替りもある2役、
子役としてはたくさんの台詞。
父、右團次との立回りあり、
宙乗りもあり、と大活躍でした。
そして何より可愛らしい。


父である右團次さんは、
十代の頃から、猿翁の元で、
仲間たちとともに研鑽を積んできました。
新、右近は、
今後どんなふうに役者としての道を歩むのでしょうか。
楽しみに見守っていきたいと思います。


猿之助さんの班女御前。
子を失った悲しみ、心うつつな様子。
胸をぐっと掴まれたように切ないです。

通常の歌舞伎で上演される「隅田川」や、
能の「隅田川」では、梅若丸の死を知り、
救いようのない終わり方です。
ですが、こちらは松若丸が現れて
班女御前、七郎天狗の3人で宙乗りという
ハッピーエンドなので救われる思いでした。

この、「雙生隅田川」は、
歌舞伎に数多くある隅田川物のひとつ。
他にどんな作品があったか…
「法界坊」、「忍ぶの惣太」などが思い付きます。


*********************

新橋演舞場での観劇は久しぶりでした。
歌舞伎座改築中は、こちらがメインの劇場だったのに、
その後はほとんど来ていませんでした。

2013年9月に歌舞伎公演があったとき以来です。
あのときは、
出演予定だった三津五郎さんに病気が見つかり休演、
「御浜御殿綱豊卿」の代役を、
芝翫(当時、橋之助)さんがなさったのでした。

演舞場の舞台、客席はきらびやか。


ロビーはけして広くはないのですが、
休憩できる椅子、ソファーが各所にあり助かります。


おもだか屋の個性ある女形、喜昇さんが
このたび、右若と改名だそうです。

師匠、右團次について、高嶋屋の名前になったようです。

お弁当は演舞場お向かいのお店にて。

甘めの酢飯がおいしいのです。



今日は今年の観劇始め。
演舞場稲荷神社と、
その前に歌舞伎稲荷神社にもお参りしてきました。