ピンクのクローバーが咲き乱れる、


ウマノスズクサが生い茂る、


河岸の草原にやって来ました。

ウマノスズクサにやって来る蝶、


このジャコウアゲハの蛹を、
「お菊虫」と呼ぶと知り、見てみたくなりました。

皿屋敷の怪談で有名な、お菊さんです。

ウマノスズクサの茂みの中を覗くと…

いました!

お菊さんが後ろ手に縛られ、
吊るされている姿だというのですが…

そう見えなくもない、という感じ。
しかし、妖しささえ漂わせる姿です。

よく見るとこの蛹、
黒い糸で枝に吊られています。

自然の不思議さを思わされます。



皿屋敷の話ですが…

播州姫路城下、
お家騒動に巻き込まれ、家老の青山鉄山に
家宝の皿紛失の濡れ衣を着せられた上、
井戸の中に切り落とされたお菊。
その亡霊が、鉄山を悩ませ、お家騒動を解決に導きます。


さらに、皿屋敷の事件から約300年後の姫路城下、
奇妙な形の虫が大発生し、
人々はお菊の亡霊が虫になって帰ってきた…
と言い伝えたそうです。

その虫が、この「お菊虫」、
ジャコウアゲハの蛹だったようです。
今ではジャコウアゲハは、
姫路市の市蝶として定められているそうです。



姫路城下のお家騒動、
お菊の亡霊の物語を盛り込んで作られたのが、
歌舞伎「播州皿屋敷」です。

近年、歌舞伎座では上演されておらず、
私も見たことはありません。

「播州皿屋敷」をもとに岡本綺堂が書いた、
「番町皿屋敷」はたびたび上演され、
中村吉右衛門さんの当たり役になっています。

悪だくみをする「播州…」の青山鉄山とは異なり、
「番町…」の青山播磨はまっすぐな性格。
それゆえに、悲劇に陥ってしまうのですが…

市川染五郎さん、
近いうちに演じてくれないでしょうか。