六月大歌舞伎、千穐楽の今日、
第一部を見に行きました。


義経千本桜「碇知盛」、
染五郎さんの渡海屋銀平実は新中納言平知盛、
猿之助さんの女房お柳実は典侍の局、
いずれも初役です。


今回は3階A後方、上手よりの席。

「渡海屋奥座敷」では、海上の船は見えない、
「大物浦」では、
岩の後ろに控える青色の黒衣さんの姿が
少し見える席でした。

<渡海屋、大物浦>


染五郎さんの銀平は、
線が細いというのは否めない。
しかし、知盛の要所要所の決まりの型、
碇を背負っての入水は美しく立派でした。
今後、役を膨らませていくことに期待します。

初お目見得の右近長男タケルくんは、
お顔もふっくらと可愛らしく、
子役としての台詞もしっかりと。


猿之助さんは、
お柳と典侍の局の切り替えをきっぱりと。
典侍の局では才気走った感じが、
宮中第一の女官という印象。

今回は、京屋の型で演じるということで、
どのように役の伝承をするのか、
疑問に思っていました。

筋書によると、京屋のお弟子さんに伺うとのこと。
女官に、京妙さんと京蔵さんが配役されていました。
特に、「渡海屋」から「奥座敷」まで出ている京妙さんは、
猿之助さんの背後から見守っている印象を受けました。

こういった伝承の方法もあるのだなと、
熱心な猿之助さんに感心しました。