NINAGAWA十二夜

私が見た蜷川幸雄氏の舞台。
2009年6月新橋演舞場にて。


「六月大歌舞伎」としての上演だったようです。


鏡や照明器具を多用した、豪華絢爛な美しい舞台でした。

成人してからの菊之助さんを見たのはこのときが最初、
男女の双子の兄妹の二役を演じていました。
嵐で船が難破する場面での早変わり…
姫でありながら前髪の小姓の姿にに身をやつし、
叶わぬ恋に身を焦がす姿…
菊之助さんの男女どちらも演じることのできる
不思議な魅力にあふれていました。

猿之助さん(当時はまだ亀治郎)の麻阿は、
噂話が大好きで欲張りな、
女性の嫌な部分をデフォルメしたような役でした。
普段は言いたいことを言い、
男性や権力者の前ではしおらしく振る舞う…
舞台の端に腰掛けたり、床を這い回ったりする
女形としては考えられない、思い切った演技でしたが、
のびのびと楽しそうに演じていました。

菊五郎さんの丸尾坊太夫と捨助、
時蔵さんの織笛姫、
錦之助さんの大篠左大臣、
左團次さんの洞院鐘道、
翫雀(現、鴈治郎)さんの安藤英竹…

蜷川さんのもと、
それぞれの役者さんが自分の持ち味を生かしつつ、
新たな挑戦をされていたように感じます。