
新春浅草歌舞伎
本年初歌舞伎、浅草公会堂

3階席からの眺め。

松也さんをはじめとした、若手の舞台。
今日はこちらの第2部を観劇。
皆さん、なかなかしっかりしたものです。

浅草の街の賑わい。

夕暮れから夜へ…

屋根の上で見守るのは、
中村屋によく似た鼠小僧。

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忘れないうちに、観劇メモと感想を…
「毛抜」
巳之助さんの粂寺弾正、大きく立派に見えました。
声も大きく張って台詞を言っていました。
化粧をした顔に、
お父さんの三津五郎さんの面影はあまりなく、
なぜか、十二代目團十郎さんに
よく似て見えたのが不思議です。
毛抜が立ったところの見得は、
きっちりと決まって見えました。
真面目でストレート、
秀太郎や巻絹にちょっかいを出すところなどの愛嬌は、
まだまだこれからなのかもしれません。
…巳之助さんにとって主役級の演目は、
今回が初めてだと思います。
2年前に同じ新春浅草歌舞伎で、
猿之助さんの「上州土産百両首」の、
舌足らずの「あじゃ牙次」を演じたときに、
上手いなあと思ったものです。
隼人さん、秦民部とはずいぶん大人の役ですが、
声の調子、台詞回しなどずいぶん勉強されたのでしょう。
米吉さんの秦秀太郎、
立役ですが可愛らしさを十分に発揮できる役。
新悟さんの巻絹、きりっとした感じ。
弾正に言い寄られても困った風情を見せず、
ぴしゃりと返すところが、もしかしたら
新悟さんの持ち味なのかも…と思いました。
錦の前は鶴松さん。
鶴松さんがこんなに台詞を言う役を見るのは、
私は初めてかもしれません。
錦の前の気の毒な状況が
きちんと伝わってきました。
「義経千本桜ー川連法眼舘の場」
松也さんの忠信、
最初の本物の忠信としての出は、
きりっと端正な印象。
狐忠信はほどよく柔らかみがあり、
狐の声の発声もきれいでした。
新悟さんの静御前、
義経の愛妾という風情がありました。
声もきれいですし、
台詞の息の詰め方もよかったと思います。
狐忠信の話を聞いているところの演技など、
これからますます役を追求していき、
持ち役のひとつになってほしいと思います。
隼人さんの義経、
この場の義経は動きも少なく、
役者の風情で見せるところが大きくて
難しい役だろうと思います。
もしかして力みすぎてしまうのか、
表情に険が出てしまうことがありますが、
もっと力を抜いて演じられるようになれば、
こういった系統の役は
彼のものになるのではないかと感じました。
開演に先だっての「お年玉」<ご挨拶>、
この日は松也さんでした。
屋号のかけ方、拍手のタイミングなどを
そつなく話していきます。
話の中で、「揚幕がチャリンと鳴ったら、
花道から登場する合図なので、
必ず拍手をすること」と言ったので、
この日は揚幕があがるたびに、
盛大な拍手が起こっていました。