全国公立文化施設協会主催 東コース 松竹大歌舞伎
毎年夏に行われる、歌舞伎の巡業公演です。
宇都宮の公演に行ってきました。

演目は、このとおり。

一、「双蝶々曲輪日記ー引窓」
二、 口上
三、「連獅子」
口上では、新しい鴈治郎さんの明るい船出を皆で祝う、
温かい雰囲気に包まれていました。
お父様の坂田藤十郎さんは、この口上のためだけに、
全国を共にされているようです。
その言葉、存在感はやはり大きく、
全国の皆さんに新鴈治郎をお披露目する…という
心持ちが伝わってきました。
続いて、中村亀鶴さん、坂東亀寿さん、尾上松緑さん、
中村扇雀さん、虎之介さん、壱太郎さん、そして鴈治郎さんの口上でした。
亀寿さんは「ようこそ、宇都宮総合文化センターへ」と言って
客席を笑わせていましたが、
いいえ、それはこちらの台詞ですよ…
ようこそ、はるばるおいでくださいました。
松緑さんは新鴈治郎さんとは誕生日が1日違い、墓地も隣同士、
ゆりかごから墓場まで一緒、と言って笑いを取っていました。
壱太郎さんは、「引窓」のお早は4年前に初役で演じたときに、
祖父に教えてもらった、
その役を今回は父の襲名披露公演で、相手役として勤められるのは嬉しい、
と話していました。
新・鴈治郎さんは今年1月からの襲名披露公演を経て、
その名前がもうすっかり身に付いたように思えます。
そのお話の中で知ったのですが、
「引窓」は「玩辞楼十種の内」に選定されているそうです。
さて、「引窓」ですが、お芝居自体がとても良く、
私はいつ見ても涙してしまいます。
引窓とは明かり取りの天窓で、手元の縄を引いて操作します。
その引窓が象徴的に昼と夜、人の心の裏表を描き出します。
(皆、本音と建前の間で揺れていますが、いい人ばかりなのです。)
鴈治郎さんの南方十次兵衛、武士としての硬さと、
町人としての柔らかさのバランスがいいと思います。
壱太郎さんのお早は、世話女房というだけでなく、
以前は廓勤めをしていた、ということが分かる華やかさでした。
「連獅子」
親子で上演することが多く、
鴈治郎さん、壱太郎さん親子も
襲名披露演目として、踊られたようです。
今回は扇雀さん、虎之介さん親子での上演。
扇雀さんは女形として活躍していますが、
近年、立役を演じる機会も多いようです。
虎之介さんは今、17歳だそうです。
普通の家庭だったら、
父親を避けたりすることもある年頃でしょうが、
がっちりと付いていかなければならない、厳しい世界ですね。
「連獅子」の間をつなぐ「宗論」ですが、
今回は亀鶴さんと亀寿さんの踊り上手なお二人で、
楽しませていただきました。

毎年夏に行われる、歌舞伎の巡業公演です。
宇都宮の公演に行ってきました。

演目は、このとおり。

一、「双蝶々曲輪日記ー引窓」
二、 口上
三、「連獅子」
口上では、新しい鴈治郎さんの明るい船出を皆で祝う、
温かい雰囲気に包まれていました。
お父様の坂田藤十郎さんは、この口上のためだけに、
全国を共にされているようです。
その言葉、存在感はやはり大きく、
全国の皆さんに新鴈治郎をお披露目する…という
心持ちが伝わってきました。
続いて、中村亀鶴さん、坂東亀寿さん、尾上松緑さん、
中村扇雀さん、虎之介さん、壱太郎さん、そして鴈治郎さんの口上でした。
亀寿さんは「ようこそ、宇都宮総合文化センターへ」と言って
客席を笑わせていましたが、
いいえ、それはこちらの台詞ですよ…
ようこそ、はるばるおいでくださいました。
松緑さんは新鴈治郎さんとは誕生日が1日違い、墓地も隣同士、
ゆりかごから墓場まで一緒、と言って笑いを取っていました。
壱太郎さんは、「引窓」のお早は4年前に初役で演じたときに、
祖父に教えてもらった、
その役を今回は父の襲名披露公演で、相手役として勤められるのは嬉しい、
と話していました。
新・鴈治郎さんは今年1月からの襲名披露公演を経て、
その名前がもうすっかり身に付いたように思えます。
そのお話の中で知ったのですが、
「引窓」は「玩辞楼十種の内」に選定されているそうです。
さて、「引窓」ですが、お芝居自体がとても良く、
私はいつ見ても涙してしまいます。
引窓とは明かり取りの天窓で、手元の縄を引いて操作します。
その引窓が象徴的に昼と夜、人の心の裏表を描き出します。
(皆、本音と建前の間で揺れていますが、いい人ばかりなのです。)
鴈治郎さんの南方十次兵衛、武士としての硬さと、
町人としての柔らかさのバランスがいいと思います。
壱太郎さんのお早は、世話女房というだけでなく、
以前は廓勤めをしていた、ということが分かる華やかさでした。
「連獅子」
親子で上演することが多く、
鴈治郎さん、壱太郎さん親子も
襲名披露演目として、踊られたようです。
今回は扇雀さん、虎之介さん親子での上演。
扇雀さんは女形として活躍していますが、
近年、立役を演じる機会も多いようです。
虎之介さんは今、17歳だそうです。
普通の家庭だったら、
父親を避けたりすることもある年頃でしょうが、
がっちりと付いていかなければならない、厳しい世界ですね。
「連獅子」の間をつなぐ「宗論」ですが、
今回は亀鶴さんと亀寿さんの踊り上手なお二人で、
楽しませていただきました。
