岡山で太極拳の生徒さんと、会食をしたとき楽しいお喋りの中に 懐かしい博多弁のアクセントを聴きました。

斜め前の席にいる、初めて同席する会員のTさんです。品の良いお洒落な、そして元気そうなご婦人で私より少し年上かな・・と思いながら「ご出身はどちらですか」と声を掛けました。

 彼女の返事は「実家は福岡です」とのこと、私も小・中・高の学生時代は福岡に住んでいましたが、そして東京・岡山・神戸ですと話しているうちに 中学の3年先輩であることが判りました。

 そして、毎年極寒の12月全生徒に一日15里(60キロ)を歩いた思い出話が出ました。この中学は、かなりユニークな理念の校長先生の指導があり勉強ばかりの頭でっかちな 子供でなく心身も同時に鍛えると言う少し変わった教育方針でした。

 自分の弱さを知り、自覚させると言う事なのでしょう。当時は、現在の様な歩きやすい運動靴もなく 帰りつく頃には足の裏は 埃とまめだらけ、半べそをかいている人もいましたが それでも、完歩した時の達成感は、その後の人生に誇りと謙虚さを与えてくれたと思います。

   

 83才の彼女の元気と、美しく歳を重ねた様子に 後輩の私もあやかりたいと思いました。

半世紀以上の時を経ての 思いがけない出会いは、太極拳の赤い糸車が導いてくれたのでしょうか。

 

 花材 ・カサブランカ ・石化やなぎ ・雲竜柳 ・薔薇 ・青もじ

 花器 ・備前焼 緋襷 かぶら徳利