■ はじめに

生きるということは、常に“選択”の連続だ。
ときに、誰かのために。
ときに、自分のために。

この物語は――
紗都が最後に選んだ、“静かな決断”に触れる、静かで強い8コマ。


◆ 1コマ目

──病室のベッド。紗都が窓の外の空を見上げている。

ナレーション:
「告げられた余命は、100日だった。」


◆ 2コマ目

──診察室。医師が冷静に説明し、遥人が動揺している。

医師:
「延命は可能です。ただし、代償は大きい。」
遥人:
「……どれくらい、生きられるんですか?」


◆ 3コマ目

──病室に戻った紗都が、鏡の前でゆっくり髪をとかしている。

ナレーション:
「生きたいと思った。でも、ただ“生きる”だけでは、意味がなかった。」


◆ 4コマ目

──夜の病室。紗都が眠る遥人の頬に手を添える。

紗都(心の声):
「私を、覚えていてほしい。
笑っていた私を。」


◆ 5コマ目

──翌朝。遥人にそっと微笑みかける紗都。

紗都:
「延命治療は、やめようと思う。」


◆ 6コマ目

──遥人、涙を浮かべながらも頷く。

遥人:
「……わかった。君が、そう決めたなら。」


◆ 7コマ目

──最後の外出許可。桜並木の下、二人が並んで歩く。

ナレーション:
「その日々は、確かに“生きていた”と思える時間だった。」


◆ 8コマ目

──後日。遥人が、紗都の残した手紙を読みながら微笑む。

紗都(手紙の文面):
「私は、ちゃんと“自分の生き方”を選べたよ。だから、大丈夫。」


■ おわりに

紗都は、「生き延びる」ことではなく、「生ききる」ことを選んだ。
それは悲しみではなく、“誇り”だった。

人はみな、自分の最後をどう生きるかを選べるわけではない。
だけど、紗都は――
“命の終わり”ではなく、“人生の形”を、自分で決めた。

それが、彼女の選択だった。


💬 読者への問いかけ

あなたがもし、紗都のように限られた時間を告げられたら、
どんな「選択」をしますか?