昨日は成人の日でしたね。

遅ればせながら、皆様、本当におめでとうございます!


今から36年前のお話です(笑)


成人式を控えたひと月も前から、女子校の同級生たちは着物の話題で持ちきりでした。


「お振り袖だと、反物が二反も要ったのよ」という身長が170cmの女のコ。

「お着物にするか、袴にしようか悩み中」という『はいからさんが通る』にあこがれている女のコ。


中には、総絞りの着物に帯だけで百万円というツワモノがいて心底ビックリしました。


後日、皆の写真を見せてもらうと色鮮やかな和装に、当時流行っていた白いファーのふわふわした襟巻きをして、結い上げた髪にはキラキラ綺麗なカンザシや生花を刺していて、とても華やかでした。


当時、読書以外には何の興味がなかった私は、社会人で使えそうな普通のスーツを新調しました。

その前年に亡くなった祖父の医療費負担がたいへんだった中、大学に行かせてもらっているだけでありがたいという思いもありました。


このスーツは2年後の謝恩会でも、就活でも着ましたので大活躍でした。(笑)


成人式は地元で行われますので、各地方から来ていた同級生たちとは別々になり、バイト先の同じ年の友人男女4人で参加しました。

男の子たちは普段見ぬバリッとしたスーツ姿で凛々しく見違えました。

女のコの友人は昨日の内に結い上げた髪を崩すまいと、夕べは椅子に座って寝たと言い、爽やかな水色の和装に白いファーでした。


4人とも地元の中学・高校を卒業していなかったので、他の参加者が同窓会的に盛り上がる中、なんとなく疎外感があり、早々に会場引き上げ、バイト先に行くとお茶だけして帰りました。


数日後、頑なに着物を買わない娘に嘆いた母が、叔母から着物を借りてきて、私に着せました。

屋内で撮った写真は暗く、写真館のようにキレイではありませんが、それから何十年も経って写真を見ますと、やっておいてよかったなと思いました。


写っていたのは、私の姿をした、今は亡き母の想いだったからです。