「わたしはアラフォー独身女性です。先日、あるメンタル友達募集掲示板に投稿してみましたが、ある奴からこんな中傷メールが送られて来ました↓」
【題名:キモ  メッセージ:ハ゛ハ゛アのくせにアニヲタかよ歳考えろよキモいんだよ】 「アラフォーがアニメ・漫画・ゲーム等の趣味を持ってはいけないのでしょうか…?この中傷メールは余りにも酷過ぎでネガティブに堕ちてしまいました…。怒りと悲しみの気持ちでいっぱいです」。

人は自身が解決できない問題を他人に問うなり、相談するなりで解決を図るが、適切な解答をするには、相談者の気持ちにどれだけ一体になれるか、自身の経験値はどうかは重要だ。本件も中傷メールへの怒りと悲しみでいっぱいの相談者と同じ目線に立たなければ解決は導かれない。相談者と一体になるのは「共感」が必要だ。「人生相談」の類は昔から行われているが、回答者にはどういう人が適切か?早大名誉教授の加藤諦三氏は、長年ラジオによる「テレフォン人生相談」を担当されていた。

 



社会学者の加藤氏は心理学者で日本精神衛生学会顧問であるが、多くの相談者というのは、相手が心理学者であれなんであれ、他人の意見を簡単に受け入れるのはできないもののようで、その理由は提示されたことを実行できないからではないだろうか。そうした様子は相談者への回答に対する相談者の態度や雰囲気から分る。例えば同居する姑といざこざが絶えないと相談する嫁に対し「どちらかが出ていくのがいい」といわれてもなかなかできない。そんなことは相談しなくても正解に決まっている。

上の相談者と自分の性格は大きく違っており、自分なりの考えを提示してもおそらく実行できなかろう。相手の身になるというのは相手の性格を前提に、さて、どうするかだがなかなか難しい。ならば「自分ならこうする」というしかないが、「私にはできません」というのが多かった。もしくは「それはいいですね」と相槌を打っただけで聞き流す。他人は自分でないので同じようにはできない。いずれにしても他人に何かができるというのは限界がある以上、他人の相談にのるというのはむつかしい。

こんな相談もあった。姉が息子の結婚に大反対で、息子(甥)は叔母である私に相談を持ち掛ける。相談といっても気晴らしのグチであって、私は息子の母(実姉)に何も言えない。姉は私にとって怖い存在だから。自分は単純にこんな風にいった。「親が結婚に反対するのは親の都合で、それを聞き入れるか無視するかは息子の判断。解決はそのどちらかしかない。姉は気丈で強い性格なので話し合いは無理というなら、それこそ従うか反発するかのどちらかだ。息子は36歳でガキじゃないんだし」。

「姉と甥の板挟みになって苦悩しているんです」というので、「あなたが苦悩する理由はないでしょう?」というと「甥が頻繁に電話をしてくるので」という。聞き役で慰めるだけならそれもアリだが、自分なら甥に対して「こちらに愚痴をいっても埒はあかんだろ?親に逆らえないなら従えよ。親に従えないなら反抗しろよ。それ以外に何があるんだ?」苦悩というのは解決しなければ終わらない。いつまでも苦悩なんかしないで決断しろ。他人に愚痴をいってどうする?他人は何もできないのだから…

 



おそらく叔母はそんな言葉をかけないで話を聞いてやってるだけだろう。そもそもそれが問題の根幹だ。甥には決断を促すような言動をすべきである。実際、白か黒かしかないんだから。母と息子の問題でしかない。叔母は苦悩で夜も寝れないというが、ようするに甥に対する対処が問題であり、自分的には苦悩などあり得ない。数年前には以下のようなネット相談を受けたこともある。上記したように、相談者やその人間関係である周辺の性格は分からないので、少ない情報から判断するしかない。

「わたしは統合失調症と被害妄想と診断されている女性です。現在恋人がいますが、相談というのは彼氏のことです。わたしが不安になったり、気持ちが荒んだりのときに酷いことを言ってしまうのは本当に申しわけないと思うのですが、目には目をもような性格といいますか、正義感が強い人なので、納得いかないことを次々ぶつけてきて、心がとても辛くて悲しくなってしまいます。『フェアじゃない』とか、『自分は良くて俺はダメなのか?』とか、『君には失望した』とかいわれるのです。

わたしに非があるのは承知していますが、理解し合う過程にあって思いやりを感じられず、辛い日々を送っています。彼氏は別のサイトから友達募集などもしているみたいで、そのことからもわたしのことは必要されてないんだなと感じてしまいます。わたしに味方をしてほしいわけではありません。客観的な意見を頂戴したくて相談に伺いました。良かったらメッセージをいただけると幸いです。よろしくお願い致します」。これに対して自分は一回だけ寄稿したのが以下の内容。

 

 

「投稿読みました。恋人の性格を詳しく把握はできませんが、書いてあることからあなたと恋人双方に感じたことをいいますね。

>目には目を、で正義感が強い人なので、納得いかないことを次々ぶつけて

オトコにはこういう気質があるのは理解します。が、「目には目を」というのは恋人に向けるものでしょうか?恋人は敵対する相手でなく寄り添うものだからです。

>理解し合う過程で思いやりを感じられず

人間は自分のことさえ理解に及ばぬ生き物ですが、他人を理解するのはさらに大変でしょう。恋人同士が出会って後の、二人が理解し合う過程においては善意で相手を捉えるべきです。ましてた性質の異なる男もしくは女性を、悪意をもって眺めることは、終わりの始まりになってしまいます。精神的な疾病のあるあなたの非に対し、彼氏は善意をもって判断をするのが、包容力というものではないでしょうか。一口にオトコといってもキャパシティの差は歴然だから、彼氏はそういうオトコに見えます。

>他のサイトで友達募集もしていて、自分のことは本当に必要ないんだなと・・・

こういう行為をする彼に「どうしてそういうことするの?」と聞くとなんて答えるのでしょうか?彼の答えから晴れる疑念はあるでしょうが、なかなか聞けないものです。あなたが何もいわないのをいいことに、そういうことをするオトコはいるんですよ。相手を責めたり、自分の思うようにならないと機嫌を悪くしたりは、過保護に育った甘ちゃんオトコでは?と推察します。同タイプが周囲にいるからです。

恋人を性具にしてふんずりかえっているオトコの傲慢さでしょうかね。あなたにとってふさわしい相手なのか、選ぶ相手を間違えているのか、そういうことで苦悩する女性は結構いますが、そうした判断は迷いなので決断でしか解決できません。人は解決できないから悩むわけで、今日の決断を明日に延ばしたりしますが、その間に解決することはありません。日々悩み続けるだけでしょうね。あなたに課せられるべくは、離別も含めた適切な判断と、思考結果に対する決断の勇気が必要と思われます」。