そんなわけで・・・
見事、厨二忍者の聖夜は、めでたく玉砕に終わったわけですが・・・
もちろん、それだけでは終わりません・・・
クリぼっちで仕事をしていた作者としましては、そんな生贄くらいでは、収まらないわけでして・・・
それでは次の犠牲者共に・・・
のたうち回ってもらいましょう・・・
・・・メリークルシミマス・・・
「それじゃあ、みんな、行くぞおおおおおおおおおおおーっ!!!!!! 」
そう叫んだのは、最初の犠牲者、池田!
その場所はとある喫茶店。壁という壁にアニメの美少女キャラのポスターが貼られており、並べられたテーブルにはパソコンが並んでいる。
そして無駄に飾り付けされたその空間には、池田を筆頭に、「彼女いない歴=年齢」な勇者たちの姿。
「おおおおおおおおおおおーっ!!!!!! 」
そいつ等が絶叫しながら、パソコンやその手のスマホを用意して、
「今日は「ときめきプリンセス」、「恋愛学園祭」、「君に恋して」の三タイトルが、イブイベを開催している!!! マイ姫のために、命を賭けるぞおおおおおおおおおおおーっ!!!!!! 」
「おおおおおおおおおおおーっ!!!!!! 」
盛り上がる人生の生ける屍共! もういっそ全員、臓器移植登録をして、そのまま冥界へ去ったほうが、少しでも人の役に立てるというレベル!
そんな中で、池田は、
「それでは行くぞおおおおおおおおおおおーっ!!!!!! 今回の僕の麗しのヒロイン、姫野川ありすちゃあああああああーんっ!!! 今夜は二人っきりの素敵な夜を迎えようねええええええええええええええええーっ!!!!!! 」
「ちょっとおおおおおおおおおーっ!!! 作者様あああああああーっ!!!!!! 」
それで俺が、
「ん? なんだ? 人生の敗北者? 」
そう言うと、その負け組キモオタデブが、
「なに、エーヴィヒ先生とおんなじこと言ってんですかあああああああああーっ!!!??? これって、僕のリア充聖夜の話を書く企画じゃないんですかあああああああああーっ!!!??? 」
それで俺が、
「そうだよ? 」
「それじゃあなんで、僕のいつものクリスマスになってんですかああああああああーっ!!!??? 」
そう言われて、俺は、ふうと息を吐くと、
「いやいや、君はわかってないな? これはつまり、「君は既に勝ち組」ということなのだよ? よっ! リア充!!! 」
それで池田は、
「ムキーッ!!! これがリア充なんて、あり得んでしょうがあああああああああーっ!!!??? 」
どうやらこんなしょうもないイベやってる割には、現実では自分は負け組だということを理解する知能くらいはあったようだ。なので俺は、
「いやいや、それに引き換え俺なんて、クリスマスなんて関係なく、零細企業経営をやってんだ。むしろ俺なんて、それこそ「負け組」やんか? 」
すると池田は、
「・・・僕は、働いてもいませんよ? ・・・」
「偉そうに言うな! じゃあ働け! 」
「なに言ってんですかっ!??? ここまで来て、働いたらそれこそ負けじゃないですかあああああああああーっ!!!??? 」
出た。モラトリアム人間理論。
すると後ろのほうから、
「同志!? なにやってんですかっ!??? イベ、盛り上がってますよ!??? 」
その言葉に、池田はハッとなって、
「いかん! 僕はこの特別な日になにやってんだ!??? ありすちゃーん!!!! 」
そして走って行く人生の敗残者。
いやー、リア充爆ぜろよりも、リア充になれない奴を見るほうが、結構楽しいかも?
では、次に行ってみましょう!!!
「失礼します」
店のドアが開いたときの、チャイムの音で、エーヴィヒが顔を上げると、
「・・・露原さん」
「ご無沙汰してます! エーヴィヒさん! 」
店に入って来たのは、あの露原だった。「ミスターマッドマック」の企画で、死闘を演じた露原だった。それで、
「商品をお持ちしました」
笑顔でそう言うと、その手の段ボール箱を傍に置く。それでエーヴィヒが、
「クリスマスイブだってのに、忙しそうだな? 」
すると露原は笑顔で、
「ええ、お陰様で。エーヴィヒさんが、いい仕事を紹介してくれましたから」
あの後、露原はエーヴィヒの紹介で、運送の仕事をしていた。ちょうどエーヴィヒの店、「シェルツ」に商品の納品をしていた人間が、突然失踪したとかで、求人していたのは知っていた。
「しかし今の時代、運送なんて大変だろう? 」
「はい。でもこれからは、アンナのためにも、頑張らないといけませんから」
そう笑顔で答えて、店を出て行く露原。そしてまた少しして、商品の入った段ボールを持って来る。
それでエーヴィヒが、
「・・・アンナちゃんだけじゃないだろ? 」
「!? 」
露原の動きがとまる。
「そんで、結婚したのか? 」
そうエーヴィヒが言ったのは、露原の娘、アンナが入院していた病院で看護師をしていた彼女のこと。
作者のいつものパターンで、名前は考えてなかったが、ずっとアンナの看護をしてくれていたその彼女と、なんかいい感じで終わったあの「ミスターマッドマック」企画。
その後、この二人には、フラグ回収があったようで?
・・・ああ。
なんかムカついて来たから、こいつ等も爆ぜさせようか? ・・・
いや、いかんいかん!
作者がそんなことを考えてるなんて、読者には絶対に知られてはいかん! それで、
「あ・・・その・・・まあ、籍は・・・でも式は・・・してませんが・・・」
少し赤くなりながら、露原が答える。それでエーヴィヒは、一瞬だけだが、その眉がヒクッとなったものの、
「・・・それはめでたい・・・それにアンナちゃんもまだ小さいんだ。これからは今まで以上に、頑張らないといかんな? 」
とりあえず怒りを堪えてそう言うと、
「まあ今日はイブだ・・・仕事は早く切り上げて、プレゼントを持って帰ってやってくれ・・・」
「はい。ありがとうございます」
そう笑顔で頭を下げる露原に、つい怒りがこみ上げる作者・・・じゃなかった! エーヴィヒ。
それで露原が、最後の商品を持って来て、
「これで最後です」
そう言って露原が差し出す伝票に、商品をチェックした後、サインして、
「しかしあの「ミスターマッドマック」の社長から、結構な報酬が出たんだろ? それにアンナちゃんへの寄付だって・・・だったら、そんなに根を詰めて働かなくっても、いいんじゃないか? 」
しかし露原は、首を振って、
「はい。確かにそういう意味では、本当に多くの人に助けられました。でもそれに甘えていては、皆さんに対して申し訳ありません。これからは私が、皆さんにお返しをしないと。それに・・・」
「それに? 」
「・・・今まで傍にいれなかったアンナに、これからは傍にいて、そして頑張る父親の姿を見せないと・・・」
少し照れくさそうに笑う露原。
もうこうなると、エーヴィヒとしては、もうなにも言えない。
完璧過ぎた。
ここまで完璧なリア充っぷりを見せられて、一体どうやって戦えというのか?
それはエースで四番と万年補欠の対決。すると露原が、
「あ、ところで・・・エーヴィヒさんも、この後はご予定が? 」
ぐさっ!!!
「・・・いや、俺は・・・ダメージなんぞ受けんからな? ・・・作者・・・」
前のめりになりながらも、なんとか堪えるエーヴィヒ。それで、
「・・・ま・・・まあ、俺は・・・世界中に、彼女がいるから・・・」
「は? 」
それでエーヴィヒは、なんとかその身を起こすと、
「も・・・もちろん、予定はある・・・」
そう言われて露原も、
「ですよね? エーヴィヒさんみたいないい人なら、そりゃモテますって? 」
ぐさっ!!!
「ど、どうしました!? エーヴィヒさん!? 」
「・・・最近、流行りの・・・前方屈伸・・・健康法だ・・・コリを取るには、いいぞ? ・・・」
再び前のめりになったエーヴィヒは、なんとかまた体を起こすと、
「・・・それでは、よいクリスマスイブを・・・」
「ええ、エーヴィヒさんも! 」
そして露原が去ると、ふとエーヴィヒは、店内を見回した。
もちろん誰もいない店内。
イブの夜なんて時間に、誰がこんなマニアックな店に来るというのか? それで、
「・・・今日は、もう閉めるか? ・・・俺もこの後、用事があるんだしな? ・・・」
そう呟いて、一息吐いてから・・・
「ほ・・・ホントに、予定があるんだからねっ!!!!!! (泣)(デートとは言ってない)」
いやあ、こういうのは、本当に見ていてスッキリしますね?
さあー、次は誰を獲物にしようかなー?
(続く? )