「おいっ どうしたんだよ」



「だっ だって  

 せ せんせ

 ピアッ……」



「…ったく ちゃんと喋れよ」




     先生でいっぱいの心が 邪魔をして

     言葉が 出ないよ




先生は 私が落ち着くまで

無言で 待っていてくれた




「先生」



「―うん?」



「ピアス いいんですか?」



「あ? 意味 解んねぇ その言葉」



「!?」



「じゃなかったら お前の耳には 着いてねぇよ」




また 一筋 頬を 流れる 泪





     いつの間に 鞄の中に
    
     紙袋を 忍ばせたのかな?


     いつから ピアスを 
   
     用意してくれていたのかな?


     それよりも

     何故 私の耳に 着けてくれたのかな?




甘く 淡く 愚かな想像が 

私の思考回路に 「そうだ」 と囁く




     
     先生

     期待しても良いですか?


     私を
     
     特別な存在 に想ってくれている って