今日(11月6日:金曜日)


副院長は 学会出席のため 不在だった



ボイスレコーダーから聴こえてくる

Dr.の抑揚はないが しっかりした声と

患者家族の 悲痛な声とのギャップを

感じない様に パソコンの前に座って

淡々と 活字に起こしていく

(結局 4病棟へ異動しても この仕事は
続行になっちゃった)




この仕事を選んだ時に 一番悩んだのは

いずれ この様になるかも 知れないという事



医療に携わる人間って 生死に疎くなるって言われるけど

きっと それはそうじゃない



感情で 生死を見つめてはいけない 最たる人間だから



メディカルである 私でさえ

病状説明を聴いている時や 死亡診断書諸々を

作成している時 

初めこそ 一例一例に 心を痛めていたけれど

今は 仕事と 割り切れている



最前線にいる 医師や看護師なら 尚更だ



でも 決して 疎くなったわけじゃない


最良の医療を提供し 治療を施し 最善を尽くす


そのためには 一時的な感情で ミスを起こしては

許されないから


そして メディカルも その一旦を担っていると

自負している




でも レコーダーを聴いている 今の私は

淡々と キーボードを叩きながら

心は うわの空だった



それは 今日 先生に 逢えるかも しれないから

先生の姿を 見付けることが出来るかも しれないから