更衣室で 帰り支度をしながら

私はもう一度 思い返していた



どうしても 廊下を歩いていたのは 先生だった

としか 考えられなかった





     そうだ!!!!!





慌ててバックを持つと

足早に ある場所に向かう








―第3駐車場―




     やっぱり あった!!!

     黒い ステーションワゴン





何だか 愛おしく想えて

そっと 運転席側のドアを 手で触れてみる……




     
     たまんないな


     信じられないくらい

     私の心は 先生を想う気持ちで

     溢れ出してしまいそうだよ




     意気地無しな 私

     傷付く事を恐れる 弱い私

逢いたいくせに 素直になれない私




勇気があれば

たった一歩踏み出す 勇気さえあれば



意地悪な口調で 悪態をつきながらも

瞳は 優しく私を包み込んでくれたはずなのに



冷たく繊細な指先は 私の髪をくすぐる様に

絡ませてくれたのかも 知れないのに