いつの間にか 雨は止んでいた



アスファルトの所々に出来た水溜りに

街灯の光が反射する


光って見えるのは 私の涙のせいだけでは なかった




先生の視線を 痛い程 背中に感じながら

私は あと数十メートル先の駅前のバス停へと

足早に向かう




バス停に近付くにつれて

少しずつ 気持ちが落ち着いて

冷静さを取り戻した



     
     あんな態度で車から降りてしまったから

     きっと頭に来て さっさと帰っちゃっただろうな



     ………………




たまらなくなって

バス停に辿り着く直前

後ろを振り返った



車は まだ動かず その場にいた



車内の様子は わからない

でも 視線は私に向いている と感じた




いたたまれなくなって 

そのまま やって来た バスに

慌てて飛び乗った