「……言えねぇの?」



冷めた声に怒りが感じとれて 言葉が出ない

繋がれたままの手首が 少し痛くなる




「は 離して下さい」



「イヤだね」




     先生 なんでこんなこと するの?

     もう少し 私に時間をくれないの?

     まだ ダメ ダメだよ




「離して!!」



思いもかけない大きな声に 掴んでいた手が

少し緩む



その隙に 手を振り払い そこから駈け出していた




  
   先生  先生
  
  私は 先生が好きです
    

でも 言えません
     

先生が 私のことを 退屈しのぎで
  
   遊んでいるのかも知れないから
    


 私の事を 何とも思ってなくても いい

    でも 私の心まで 遊ばれたくないよ