パソコンの前で 眠たい目を擦りながら

何度 欠伸を噛み殺したか




私は眠気覚ましにガムを噛んで

(ホントは仕事中にガムなんて もっての他なんだけどね)

休んでしまったため 溜まってしまった

仕事をこなしていた




お昼休みがやってきたが

事務室は 常時 一人はいなければならない



まぁ お留守番だ



今日は遅れたノルマをこなさなきゃならないので

お昼休みが取れるかな と思っていたので

喜んでお留守番をして 適当にパンでも

かじろうかと思った







Dr.が入院患者の病状説明をボイスレコーダー

に録音した内容(ムンテレっていうんだけど)

を活字に起こしていた



少し流れに乗って来たところだった



ふっと 首筋に風を感じた

ビクッとして後ろを振り返った




頭上に視線を感じる……

目の前には白衣

いつのまに?



「お前 来てたんだ」



眼鏡の奥の黒い瞳を細めて笑う顔に 慌てて



「お陰様で……

 先生 何か御用でしょうか?」




胸騒ぎを隠すため 無表情を装い 

先生の顔を見れずに 必要以上に早口で言う




     ちがう そういう言葉 言いたいんじゃない




口にした途端に後悔する 私


恐る恐る視線を上げる 私