久方の 光のどけき 春の日に しず心なく 花の散るらむ

 (「古今集」 紀友則)


世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

 (「古今集」 在原業平)


願はくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月のころ

 (「山河集」 西行)


 桜の咲く頃になると、これらの歌を思い出します。

学生時代、古典(古文)なんて大嫌いでしたが、何故かこれらの歌は印象に残っています。


「久方の~」と「世の中に~」は散りゆく桜の花を惜しむ歌。

「願わくは~」は桜への憧れを詠んだ歌、と私は解釈していますが、桜に対する思いは現代の私たちも1000年前の人たちも変わっていないような気がします。


 ちょっと趣の違う桜の歌もあります。


清水へ 祇園をよぎる 桜月夜 こよひ逢ふ人 みなうつくしき

 (「みだれ髪」 与謝野晶子)


 もしかすると、この歌は桜の情景そのものよりも自分の恋する気持ちを桜の時期の京都の街並みの賑やかでちょっと浮足立った感じを重ね合わせているのかな、とも思いますが、短い春を楽しむ様子が目に浮かぶ一首だと思います。


 私の住んでいる神奈川県西部(小田原)は、今が盛りと桜が咲き誇る週末を迎えています。

 ちょっと肌寒い夜ですが、城址公園にはお花見の人が沢山繰り出していることでしょう。


皆さんのお住まいの地域の桜はどうですか?

寒い冬が長くても必ず春が来ます。

その春の訪れを告げるのが、桜の花。

今年も沢山の桜が心にも咲きますように。