宿にチェックイン後ロビーを移動していたら、なんとなく視線を感じたのでその方向に目をやるとアジア系の外国人と思しき男性と目が合いました。
そして、すれ違い様に「あなたはここに泊まれるのか?」と聞かれました。(英語で、です)

怪訝に思いながら「はい?」と答えると
「そんなお金を持っているのか?」(多分、そんな意味のことを言ったと思う)と驚いたような表情になりました。
私もその言葉の真意をはかりかねたので「それはどういう意味ですか?」と拙い英語の、しかもちょっと強い口調で聞き返してしまいました。

すると、その人は神妙な顔になり「失礼なことを聞いてすみません。」と謝った後「自分の母国では障害者が外に出ることはあり得ないから…」と。
障害がある、というだけで仕事に就くことも出来ず社会的にも経済的にも「弱者」として扱われてしまうので、遠出は愚か街中でも障害者の姿を見る機会はほとんどないお国柄だ、と話してくれました。

一方、西アジアの方では障害者が「英雄」として扱われている国がある、と聞いたことがありました。
その国では戦争が元で障害を負った人は手厚く保護され周りからも英雄視されるんだそうです。

…。

戦争を実際に経験したこともなく、一応は社会的にも恵まれた環境に暮らしている私は、そのあまりにも違いすぎる状況を複雑な気持ちで受け止めました。

今の日本が障害のある人にとって暮らしやすいか、と尋ねられたら「100%暮らしやすい」とは言えないけれど、沢山の方々の善意や工夫をすれば問題なく普通に暮らしていける社会だと答えられます。

でも、そんな現状は物凄く恵まれていることなんですよね。

お互いに母国語ではない言葉での会話だったので、本当に伝えたかったことがしっかりと話せたか不安もありますが、そのロビーで出会った方との会話は、いつまでも心に残ると思います。