④『山形ふるさと学級』やまばと民宿長助。””” | 山野雪の「Silly talk」

山野雪の「Silly talk」

一日24時間。気まぐれにほんの数分、setsuの戯言・馬鹿話にお付き合い下さい。東京の何処かに「こんなヤツいるんだな。」と思って頂けたら不幸中の幸いです。


♪己の道は己でひら~け~♪

四方八方真っ暗闇。しかも深夜に小学生の女の子ふたり。かたや後にアイドル歌手になるほどの美少女。東京の小学生は自己責任もと服装も何もかも自由でした。。。


6年生になる時、自称親父は母の事だけを思い、なんの縁もない東京に面した千葉県に引っ越した。そこは、朝から晩まで体操服。たったひとクラスしかなく、東京では、○○君、○○ちゃん、○○さん、か男の子女の子関係なく、ニックネームで呼びあっていたのに、お互い名字呼び捨て。担任も体育の時間でもないのに、毎日ジャージ、子どもの事は呼び捨て。

私は、私服と髪を、カッコつけているヤツ、東京から来たヤツ生意気、、、、。
転校初日からアウェイ。

遠足は近所の野鳥の楽園。
道中はご多分に漏れず体操服。私は6年生の女子がブルマーで町中を歩く事が、パンツ丸だしで練り歩くぐらい、おかしいと思った。東京では、男女とも、ショートパンツだったよ。私は一人、上の体操服は耐え、下はキュロットスカートで行った。
母もブルマ姿の遠足には呆れて、承諾済みだったが『ふざけんなよ、オマエ!』とオッサンの担任に、耳が破裂するような勢いで殴られた。脱げ!と言われたから、痛さで悔し泣きしながらも『帰ります、帰って親に話します。』と言って、走って逃げようとしたら捕まり、引き摺られて女の先生からタオルで押さえ込まれ、頬を冷やされた。そのあたりから、私はマンションとは名ばかりの団地のベランダから見える、湾岸道路と後に完成したシンデレラ城の夜景だけが、救いになった。ちなみに修学旅行は日光に一泊で、怒鳴り声の点呼の嵐、、そして!みんなは体操服~♪私は私服~♪体操服は体育の時だけ~♪を卒業まで貫いた。

話は戻り、国道へ。
『虫だらけじゃん!』国道の真ん中を二人で歩く。街灯の周りが虫だらけじゃん!だった。見たこともないエイリアンみたいな大きな蛾に悲鳴をあげる。『カブトムシはどこ?カブトムシは?どこ?』恐怖の事態に、二回同じ言葉を繰り返すのは、当時かららしい。


カブトムシは?どこ?の自分の台詞が、何十年たっても残っている。

『山野雪ちゃん、オスオスじゃダメなんだよ、喧嘩しちゃうからオスメスだよ!』と奈央子。恐怖でアワアワしながら、捕まえなおした。

奈央子ちゃんは、もっともっと素敵な夏を過ごし、この夏なんて写真しか残っていないだろうな。山野雪の事も、、、。

奈央子ちゃんママには、、、。


私はまたまた、オヤジが母の希望だけを叶え、高校卒業後東京に、おかげで、私の友だち?付き合いは尻切れとんぼ、、、。


今の仕事に就いた頃、とある施設で、当時と変わらない奈央子ちゃんママが受け付けにおられ、偶然にお会いした。

『お仕事中すみません。奈央子ちゃんのお母様ですか?』『え?はい、、?』『山野雪です。』『あらー!山野雪ちゃん!変わらないわねー!懐かしいわねー。』『山野雪ちゃんは、、ん?お仕事??』『はい、私は○○になり、○○に入り、今は○○をしております。』『あぁ、、そう。』奈央子は今は、本人の希望で音楽関係の仕事に、、、。

カブトムシ片手の帰り道、私は夜空の星の大きさに感動した。カメラにフラッシュが無い事が残念だった。


このような夏の夜空を、私はこの日以来見た事が無い。忘れない星空。忘れられない星空。心の底からの自由。


朝、おばさんがスイカをカブトムシのかごに入れてくれた。蚊にやられたところはキンカンを塗ってくれた。当時からあった虫除けはあまり効かないようだった。

朝御飯の後、青年団のお姉さんが来た。
服の下に水着を着ておいで、と言われていた。『川の場所教えてあげるね。』

私、タンコ、奈央子。やはり私は気に入った木の便所サンダル。お姉さんは『雪ちゃんそれ、かわいいねー』とゲラゲラ笑っていた。『それ、大きいから足、気をつけなよ。』そしてゲラゲラまた笑う。

川では、指さした方は滝みたいになってて、落ちたら先まで流されて危ないから行かない事!お姉さんはお昼に、お弁当届けに来るから、それまで遊んでていいよ!
と、水筒を置いて帰っていく。

『先やってよ!』怖さからの譲り合い。
記憶によると、真向かいの岩壁まで、三人で『足が流される~』『溺れる~!』『つかまらないで、自分で頑張って!』と騒ぎながらワチャワチャ泳いだ。子どもが泳いで遊べるように、何かで囲った?川だったのかな。足は届かないが、行ったり来たり、と大はしゃぎで泳いだ。

寒くなり、岸に上がると、またまた、私の腕時計!『まだ10時になってないよ。』
夏休みは、10時を過ぎてから、友だちの家に行く、という約束があった。

こんな早くから遊んでいるんだね。三人だけだね。


一年後の○○県では、夏休みはバカみたいに宿題が出たが、この時の夏の宿題は自由研究のみ。私は毎日自宅のベランダから同じ時間に雲の写真を撮った。カメラを買ってもらってからは、自分のカメラで撮れる事で、なおさらはりきった。

積乱雲、とか図鑑と照らし合わせながら、朝の雲の様子から、その後の天気の変化を予測したり、数日後の嵐を予測したり、みたいな内容だった。山形にいる間は母が引き受けてくれた。


少しずつ、なんか、空が暗くなってきた。

まさかの雨!(;゚∇゚)

川に飛び込んだ三人。理由、雨に濡れない為( ´-ω-)y‐┛~~


またまた子どもだけのピンチ。

ピンチ感が限界に達した時、お姉さんが傘をさして来てくれた。

『なにやってんのー!危ないからあがんなさいよ。』『ごめんねー、でもやむと思うよ。』『おいで、桃食べな。』雨の中の桃。雨なのに桃(´・ω・`)?『お姉ちゃん、雨降ってるのに桃?』『ん?桃おいしんだよ!雪ちゃんおいで!』


皮のついたままの桃。(´・ω・`)?

『お姉ちゃん、皮は?』
『?』『皮?皮はさ、こうやんの。』お姉さんは両手のひらで桃をこする。皮が剥けちゃう桃!面白いのと美味しいのとで、一人で、三個ぐらい食べた気がする。あんな桃の剥きかたもあの美味しい桃も、あの時が最後だったよ。

本当に雨は、桃貪り中にやんでしまった。


お姉さんが見ていてくれる中、またまた大はしゃぎで泳いだ。

お姉さんは私がフルネームで呼ばれるのを、面白がって笑っていた。

今思うと、便所サンダルにフルネーム、
疑問が直ぐ口から出る変な?雪は、お姉さんのツボだったのかも知れない。

お弁当はおにぎりとタクアンだった。あと、またとうもろこし。一生分とうもろこしを食べたと思う。山形県の人は、主食がとうもろこしだと思った。

帰宅後お風呂。ぐったりしていたら、おばさんが、起こしてあげるから昼寝しなさい、と言った。