午前までの雨が残るグランド。
 試合を明日に控え、今日も部員達は最後の練習調整に励む。

 練習を軽めに引き上げ、恒例セレモニーと称する(らしい)、試合メンバー選抜発表が
 U先生より一人一言コメントを添えて、ジャージを渡されながら行なわれた。

 スタートメンバーに入った部員、リザーブに登録された部員、プログラムに記載されながら
 今回の選抜からもれてしまった部員、悲喜交々気持ちの変化や動揺はあった事と思う。
 
 しかし、この試合のメンバー選抜が総てではない。 と言う事を総ての部員に理解して欲しい。
 選抜されたもの、また、されなかったもの、3年生を除けば通過点である事を理解して欲しい。

 勿論、三年生最後のトーナメントである。 その最後の1試合1試合に3年間の思いをぶつけ
 魂を込めて戦う3年生のアシストを1.2年生は確実に実施してほしい!

 厳しい先輩であったかもしれない。しかし、それはラグビーに限らずどの部活でも当たり前の事。
 そんな先輩としての指導と、練習や合宿で一緒に過ごした時間の重要さを今改めて、共に戦う!
 気持ちで返して欲しい!

 今回の試合会場では、補助役員は瀬戸西が担当する事になっている。
 リザーブに選抜されなかった部員から、選ばれ補助役員をして、競技進行に活躍してくれる事となる。
 どんな試合も、そんな選手でもリザーブでもない部員がいるからこそ、試合が正常に運営される。
 今回は苦い思いで、役員に配置された部員も、補助役員と言うとても重要な役割を担っている。

 総ての部員が揃って始めて瀬戸西高校ラグビー部である事を、選手は勿論、リザーブ選手も
 今回はリザーブから漏れてしまった部員も、皆がそれぞれの役割を果たして、試合に勝利しよう!

 最後に部員だけのミーティングが行なわれ、必勝と悔いの残らない、瀬戸西らしい試合をしよう!
 声をかけ、確認しあった事と思う。

 いよいよ始まる、3年生ラストトーナメント、全部勝ち進めば花園であり、花園で負けなければ
 日本一の称号と名誉、共に君達は歴史に残るラガーメンとなる。 
 ありきたりになるが、「悔いを残さず、全力でプレーし勝利を我が物として欲しい」
 
 明日のメンバー表を作りながら、それぞれの部員の顔が思い浮かび、同情は出来ないが、
 また改めて頑張れ! そして、この選抜されなかった事実を受け止めバネにしてほしい!
 選抜されたメンバーは、選ばれなかったメンバーの思いを汲み、必死で戦い抜いて欲しい。
 きっと勝利の女神は、そんな前向きな青年達を裏切る事はないと信じる。
 
 そして、父母会は、君達がいる限り全力で支援応援していく!