「一万年前: 令和日本が原始時代に飛ばされる」

(お知らせ: 最終章まで完成しているので連投稿するかもです。)

(第1章:大淘汰の日)

東京の空が、一瞬にして原始の青に染まった。

2026年の新宿に鳴り響いていたはずの喧騒は消え失せ、

足元のアスファルトは、

どこまでも続く瑞々しい原生林とぬかるんだ土へと姿を変えていた。

・鳴らないスマホ、消えた文明


「圏外、か」

システムエンジニアの木村は、

何度目かもわからない動作でスマートフォンの画面をタップした。

画面の右上には、冷徹に「通信サービスなし」の文字が踊っている。

周囲には、オフィスビルや駅のホームではなく、

見渡す限りの巨木と、

困惑し、絶叫し、あるいは呆然と立ち尽くす数万人の群衆が広がっていた。

インフラが消えた。

電気も、ガスも、水道も、道路も。

辛うじて人々の手元に残されたのは、

ポケットの中のガジェット、

通勤カバンの中のノートPCやタブレット、

そしていくつかの備蓄物資だけだった。

「木村さん、これ、どうなってるんですか!?」

後輩の女性社員が、震える声でノートPCを開く。

画面は点灯する。内蔵バッテリーは生きている。

しかし、インターネットという巨大な脳を失ったPCは、

ただの「電気を通す箱」に過ぎなかった。

・生死のタイムリミット

転送からわずか3日。

事態の全貌が、皮肉にも木村たちの持つ「ローカルデータ」によって明らかになる。

ダウンロードされていた電子書籍、地図データ、気候予測。

それらを照らし合わせた結果、

ここが「1万年前の日本列島」であるという結論に達した。

「1億2千万人が、インフラなしで生きていけるわけがない」

木村は、配給活動の拠点となった即席のテント(ビニールシートと木の枝で作られたもの)の中で、

数少ない技術者たちと机を囲んでいた。

食料の備蓄は持って数週間。

川の水はあれど、煮沸するための燃料(ガス)も、それを運ぶ水道もない。

狩猟採集で養えるのは、この列島全土でせいぜい数万人だ。

1億人以上の「淘汰」が、今まさに始まろうとしていた。

・「聖堂」への出発

「木村、お前にしか頼めない」

即席の指導者となった元官僚の男が、重い口を開いた。

「今、私たちがすべきは、1億人を救うことじゃない。

それは物理的に不可能だ。

私たちがすべきは、21世紀のすべてを、次の世代に遺すことだ」

男が指し示したのは、

数台のポータブル太陽光発電パネルと、

数千冊分の技術マニュアル、

医療書、農業の知識が詰まったストレージだった。

これらが壊れれば、人類は本当に「原始人」に戻る。

文明保存の避難所は、本土から隔離され、

限定された人口だけで自給自足のコミュニティを維持しやすい「佐渡島」に決まった。

木村は、まだ動くわずかな電気自動車(EV)に太陽光パネルとPCを積み込む。

バッテリーが尽きれば、二度と動かない鉄の塊だ。

道路のない、1万年前の荒野。

木村はアクセルを踏み込んだ。

背後では、食料を求めて暴徒化し始めた都市の生き残りたちの叫び声が、

原始の森に響き渡っていた。

「解説」

・冷徹な現実(心理と情景)

・容赦なき「引き算」の恐怖

人間は、蛇口から水が出ないだけで、3日で限界が来ます。

この章の核心は、現代人が「知識」だけを持って、

いかに無力に死んでいくかという描写です。

スーツ姿のまま、泥水をすすってチフスにかかるエリート。

バッテリーが切れて単なる「鏡」と化したスマホを見て咽び泣く人々。

・唯一の希望としての「デジタル」

木村が守ろうとするノートPCの液晶の光は、

この地獄において唯一の「文明の残り火」です。

それが発するかすかな熱と光だけが、

1億人が消えゆく暗黒の列島の中で、

500年後の未来へ繋がる細い、しかし絶対の糸となります。

「あとがき」

今後、必ずやって来るという大災害後の日本列島。

この小説の状態と五十歩百歩になるかもしれません。

むろん被害を受けずに済む地方は生き残れます。

しかし被災地域が広範に及ぶために支援物資を送り、復興費用をカバーするための増税。

中央集権ゆえのコストが地方に重い負担となっていく。

生き残れた地方も交通分断で物流などローカルな課題に加えての負担。

中央政府に従っていては立ち行かずに独立採算で生き残りを図ることになるのは明白かと。

むろんそうならないことを心から願っていますが、自然界の現象は願うだけでは対処不可能。

閑話休題

神戸市でイタリア系の文化・語学サークルを公民館などでスタートすべく準備中。

イタリア文化で「ダンテの神曲」を紐解きながらイタリア語も学び合う。

イタリアンを食しながらローマ時代の文化を再考もしたり。

イタリアのオペラの歌詞を分析して楽曲理解を深めるなど。

そんな路線で進める予定です。

英語やスペイン語で似たような活動も行なうつもりですが、

両語は既に準ネイティブ、あるいはそれ以上なので

そこまで達していないイタリア語に重点を置くことになるかと。

卒論や修士論文の執筆をしながらなのですが、幸いに仕事は趣味的に実施で間に合います。

ところで、最近、AIの本気モードとのマジ討論を頻繁に行なっています。

AIは所詮、創造的な思考能力は無く、人間の思考には及ばないというのが結論。

最近、特に頻繁に見かけるアメブロ集客系の記事。

どれもこれも自動作成なので似たり寄ったりで読む気が起きません。

そういう記事を自動生成してリソースを浪費するのってどうなの?

そのうち規制法ができたりするとAI丸投げ派以外も困るのですが

ということで、また〜