「神話のリアルな女性たちVol.1」

木箱に詰められ海へ流された、ある母親のリアルな話。

​神話のきらびやかなイメージの裏にある、現代の泥沼ドラマ以上のハードな状況。

そんな彼女たちのリアルなエピソードを追うシリーズです。

​第1回目は、のちの大英雄ペルセウスの母親である、ダナエーのストーリー。

・​今回の主人公プロフィール

​立場: 某国の王女
​初期状況: 実家(実父)により頑丈な塔に監禁中
​パートナー: 妊娠発覚後に音信不通(最高神ユピテル)


​・実家からの隔離と、相手の音信不通

​すべての始まりは、ダナエーの実の父親である王が下した決断でした。

「娘が産む男の子に、いずれ私は殺される」という理不尽な予言を恐れた父親は、

彼女を頑丈な青銅の塔に閉じ込め、世間から完全に隔離します。

​誰とも会えない退屈な監禁生活。

そこへある日、最高神ユピテルが「黄金の雨」に姿を変えて忍び込みます。

彼女はユピテルを受け入れ、やがて妊娠。

しかし、相手は雲の上の存在である神。

当然、その後の生活のサポートもなければ、話し合いに応じることもなく、そのまま音信不通となります。

​・生まれた瞬間に、赤ちゃんごと海へポイ

​監禁されていたはずの娘が、知らないうちに男の子(ペルセウス)を出産したことを知った父親は激怒します。

​実家からの育児支援や経済的サポートが得られるはずもなく、父親が取った行動は冷酷極まりないものでした。

ダナエーは生まれたばかりの我が子と一緒に、頑丈な木箱の中にすし詰めにされ、蓋を閉められます。

そしてそのまま、荒れ狂う海へと投げ捨てられてしまいました。

​・漂流からの、まさかの結末

​波の間に漂う狭い木箱。そこは、外の様子も分からない、光すら届かない極限のワンオペ空間です。

目的地も頼れる身寄りもないまま、彼女はただ我が子を抱きしめ、波に揺られ続けました。

​しかし、この絶望的な漂流の果てに、奇跡が起こります。

木箱はある島へと流れ着き、偶然通りかかった心優しい漁師に引き上げられて、二人は九死に一生を得ました。

そして、この時命がけで守られた赤ん坊が、のちにメドゥーサを討伐する、あの有名な大英雄ペルセウスへと成長していくことになります。

・​関連フレーズ

​ラテン語: Mater amans et fortis.
​イタリア語: Una madre amorevole e forte.
​英語: A loving and strong mother.
​和訳: 愛深く、強き母親。

「​あとがき」

​神話のリアルな女性たちVol.1、いかがでしたか?

​「黄金の雨になって部屋に忍び込んでくる」って、文字だけ見るとロマンチックなファンタジー感がありますけど、

冷静に現代の視点で見ると「いや、その後の展開がハードモードすぎる!」って驚いてしまいますよね。

​神様たちも結構やりっぱなしというか、その後のフォローが全然ないあたり、大昔から人間の営みの本質は不変ですね。

​次回の「オウム返ししかできなくなった女性」も、現代の人間関係に通じるような、ちょっと切ないドラマになっているので、ぜひお楽しみに!

追伸: 南欧女性の研究は令和の女性学に役立つのでは?

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