第3回:19世紀後半「消費社会の到来と既製服の台頭」(モード&社会)
時代背景: 19世紀後半(フランス第二帝政期、都市改造と近代百貨店の誕生)
代表作: エミール・ゾラ『ボヌール・デ・ダム百貨店(淑女の楽園)』(1883年発表)
テーマ: 大量消費されるモードと、欲望を刺激される人々のライフスタイル
原作からの引用
C'était la tentation suprême, le chiffon qui rendait folles toutes les femmes, le blanc de la mode dont le caprice révolutionnait Paris.
「それは究極の誘惑であり、すべての女性を狂わせる衣装、その気まぐれがパリに革命を起こす最新モードの白の流行だった。」
「モードとライフスタイル」
・「憧れ」から「消費」への変化
バルザックの時代におけるモードは、仕立て屋で誂える「特権階級の武器」でした。
しかし、ゾラが描く百貨店の登場により、モードは大衆が「一斉に買い求め、熱狂し、消費するもの」へとライフスタイルごと変貌を遂げたことが分かります。
・欲望をデザインするシステム
「女性を狂わせる」「パリに革命を起こす」という表現の通り、モードは単に身を守る服ではなく、
人間の物欲や変身願望を激しく刺激する「消費社会のシンボル」となりました。
これが現代に続く、シーズンごとにトレンドを消費していくライフスタイルの直接のルーツです。
「令和日本との対比」
現代の私たちがファストファッションやトレンドに目移りし、買い物で自己充足を図る行動様式は、まさにこの19世紀後半のパリで完成したシステムです。
文学を通じてその仕組みの始まりを知ることで、私たちは自らの消費行動やライフスタイルを客観的に見つめ直すことができます。
語彙&表現
c'était それは〜だった
la tentation 誘惑
suprême 究極の
le chiffon 衣服
rendre 〜の状態にさせる
fou 狂った
toutes les femmes すべての女性
le blanc 白
la mode モード
le caprice 気まぐれ
révolutionner 革命を起こす
paris パリ
「あとがき」
こうしてモードの流れを見ていくと社会の動きがクリアになりますね。
ファッションの色の流行もホワイト、ブラック、その他と変遷してきた背後には当然ながら仕掛け人がいます。
流行色がどのような仕組みで作り出され決まるのか?
不景気、景気、といった世相の変化がどのように人々に社会心理学的な影響を与えるのか?
ここで解明すべきテーマではないので控えますが、欧州で男性の髭が流行し始めた要因のひとつが移民であると。
ところで、イスラム系移民がもたらした成人男性は髭を生やすという習慣。
十数年前から普通のシェーバーが髭をちょい残しするタイプが主流になるくらいの変化です。
南欧のような伝統文化が根強い地域でも影響が出ている。
そういう外来文化によって和装文化が弱まることがあってはならないですよね。
大正浪漫などで和装文化をもっと盛り上げて欲しいなと。
そんなことを超久し振りの大雨の夜に考えておりました。
それでは、また〜
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