Ken Seto 2015


謹んで新年のお慶びを申し上げます。

一昨年の7月に23年間の草加市議会議員としての活動のすべてを懸けて挑んだ参議院選挙に落選し、しばし公職から離れることとはなりましたが、捲土重来を期して、今年も一層の研鑽努力を重ねて参ります。

さて、本年2015年は日本の敗戦70周年の大きな節目の年です。あの参議院選挙で皆様にお伝えしたかった大きなテーマのひとつが憲法改正を議論し始めましょうというメッセージでした。

■保守系リベラルという立ち位置で

私は政治的には保守本流を常に意識しながら、思想的には自由主義(リベラル)を標榜し続けてきました。これがなかなか多くの皆様に理解されにくい原因であったとは自覚しているのですが、柔軟な発想と時代の変遷に対応した適度な自己変革を繰り返してこそ初めて、歴史も伝統も文化も醸成されていくのだというのが私の信条であり信念なのです。

日本が長い歴史、伝統、文化を育みながら現代を迎えていることを公正に肯定的に理解し、「ニッポンの底力」で世界、人類に貢献する。そんなビジョンと使命感から、これからも政治に関わり続けていきたいと考えています。

■我が家に残る渋沢栄一翁の書簡(写し)

私の曽祖父・瀬戸彌三郎は近衛で小倉英季(オグラ・ヒデスエ)子爵にお仕えしていました。大変に達筆な文字を書く曽祖父の仕事のひとつが子爵家に宛てられた書簡の写しを記録することであったらしく、その頃の書簡類の一部が我が家に残されています。

先日、私は偶然、その中に渋沢栄一翁の書簡の写しがあるのを発見しました。私にとっては崩し字で判読が難しかったので、ある謡いの御師匠さんに判読をお願いしたところ、それは「朝鮮半島に鉄道を敷設するので、投資して欲しい」という中身の手紙であることが分かりました。

私はこれまで、日本人として生まれ、この国で教育を受けて、「日本は朝鮮に侵略し朝鮮半島と朝鮮人の主権を踏みにじり、日本人は朝鮮人に対して許されざる大罪を犯したのだ。」と教えられてきましたが、我が家に残された書簡の写しから、渋沢栄一翁の呼びかけで日本人が朝鮮半島の鉄道建設に出資していたことを知り、少なからぬ衝撃を覚えました。


■日本の独立~アジアの自立と開放

世界の先進工業国がアフリカやアジアに侵攻し、植民地政策を展開していた帝国主義の時代に、ヨーロッパ列強諸国の植民地となった国々の多くは天然資源や労働力を搾取される一方でした。占領地域をアヘンの巣窟に変えて英国が仕掛けたアヘン戦争などはその象徴的な出来事であったと思います。

日本がそのようなヨーロッパ列強の植民地とならないためには、アジア諸国の自立と解放が不可欠であり、持たざる国として、朝鮮半島や中国などからの資源の補給路を欧米諸国に占領されないようにアジア諸国と共存共栄していくことは日本国と日本人の唯一の活路であったことは、1951年トルーマン大統領によって更迭されたマッカーサー元帥が、その直後、米国上院の軍事外交委員会の公聴会で証言している通りであったと私も思います。


MacArthur's Testimony 1

※この画像は1971年に公開されたマッカーサー証言の議事録の1ページです。これについては、次回のブログ記事で取り上げる予定です。


■日本人の歴史観の再検証

私は決して、日本の過去の戦争を正当化するつもりはありません。中国や韓国の人々が自分たちの主権が日本によって踏みにじられたと主張していることも深く受け止めていこうと思います。

しかし、過去の歴史に対する罪悪感や罪責感にばかり囚われて、日本人が、日本国が世界の中で果たすべき役割を見失い、世界に貢献する国民にも、国家にも日本がなれないとすれば、それは人類の世界と歴史にとっての大きな損失であるという側面にも、今年は光を当てて行かなければならないと思います。

■憲法改正の議論は第8章「地方自治」が急務

冒頭に述べた「憲法改正を議論し始めようというメッセージ」というのも、東京裁判によって確定された日本の戦争犯罪や戦争責任に対する罪責感のせいで、憲法第9条「戦争の放棄」の改正論議をタブー視しすぎるが故に、成熟し始めている日本のデモクラシー、特に地方自治の発展のために、今こそ憲法第8章「地方自治」の項目を議論し始めなければならないのに、それが出来ないという現実は私にとって憂うべき最大の課題です。

■集団的自衛権の解釈改憲は日本のデモクラシーの発展を阻害する

そればかりか安倍内閣おいて、集団的自衛権の行使について、いわゆる閣議決定による「解釈改憲」を断行してしまったことは敗戦70周年に向けて本来議論し始めなくてはならなかった日本社会の制度疲労を改善させるための改革論議としての憲法改正という課題から国民の関心の目を反らし、問題解決を先送りし、日本のデモクラシーの発展を阻害する誠に遺憾な政治判断であり、私は甘受することができません。

■敗戦70年の今年、全国民的な総括をはじめよう!

もっと、堂々と私たち日本国民が日本の政治と日本の社会について勇気ある議論を始める一年となることを祈って、この新年のご挨拶に代えさせて頂きます。

今年一年が、皆様にとって祝福に満ちた幸せな一年となりますように!

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto

Thinking Globally, Acting Locally…
Everything is Beautiful in its time (Ecclesiastes 3:11)
地球的視野・地域的行動
神のなさることはすべて、時にかなって美しい。(伝道者3:11)

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