■戦争は人心を狂わせる元凶

戦争は人心を狂わせるものです。だからと言って、戦時下のいかなる行為をも、戦時下であったことを理由に、肯定的に評価することは許されません。それは、「戦争」そのものがすべての元凶だからです。

■本音と建前は日本的マインドシフト

日本維新の会 橋下徹共同代表の慰安婦問題や合法的風俗営業に関する発言について一言、意見を申し上げたいと感じております。橋下代表が常に本音で語り、社会の問題を具体的に解決していくリーダーシップを発揮していることは事実です。

しかし、世界に向けて日本を主張するには、そもそも「本音」と「建前」という日本人特有の言葉やマインドの切り替えは、必ずしも世界には通用しないということを自覚しておく必要があるのだと思います。

■社会を治める日本の知恵

日本では昭和33年に売春禁止法が施行されるまで、売春は合法的な商売でした。これは、永井荷風の「墨東綺譚」(ぼくとうきたん)にも描かれているような、日本の風俗文化の一部として近年まで存在していました。

いわゆるお上(政府)が社会全体の風紀を乱さないように「赤線」地帯という特殊な地区を指定して、これらの商売が指定区域外にまん延しないように管理し、このことによって、性犯罪を封じ込め、社会秩序を守っていたと解釈されてきました。

まさに「本音」と「建前」を区別して、社会を治める日本人的発想がここにあります。

■「原罪」(sin)と「犯罪」(criminal)の区別

一方、キリスト教的価値観におけるアメリカ合衆国をはじめとする国家では、そもそも売春は「姦淫」(かんいん)とよばれる「罪」で、これを法で禁止していようといまいと、正当化することのできない行為だと解釈されてきました。

よって、これを「原罪」(げんざい)といい、人間が生まれ持っている「罪の属性」として認識しているために、「法律の範囲内で、いわゆる性的なエネルギーを、ある意味、合法的に解消できる場所が日本にある」との橋下代表の論点は、米軍司令官には受け入れられなかったわけです。

■受け入れられない日本人の本音

「法律の範囲」であれば、たとい「原罪」を犯してもかまわない。

これが日本人的な発想による「本音」であり、これが世界からは理解されにくい論理なのだということを、世界に向けて日本を主張するためには理解しておかなければなりません。

「法律の範囲」を超えた「原罪」(sin)から起こされた、法律に反する行為を「犯罪」(criminal)と呼び、これらの違いを区別することが肝要なのだと思います。そして、「犯罪」はその国の法律によって規定されますから、外国人の価値観の問題とはまったく関係ありません。

母国で認められていない行為を正当化するために、他国に移住することは物理的に可能かもしれませんが、それによって「犯罪」を犯すことにならなくとも、「原罪」は犯すことになりかねませんし、そのことは自分の良識と良心の問題となります。

■聖書に手を置いて宣誓する西洋人の本音

公職に就任するたびに聖書に手を置き宣誓を求められる国情を理解することは、相手国に対して効果的に日本を主張するためには必要なのだと感じます。

「人間はすべて罪びとである。」これが西洋人の本音です。

■日本人の「神をも恐れず…」に凍り付く西洋人

かつて国際連盟を脱退する日本政府の代表者の一人が「我々は神をも恐れず…」と発言し、各国首脳たちの表情が凍ったそうです。なぜなら、彼らのことばはすべて、「我々は神以外の何をも恐れず…」だったからたそうです。

橋下代表には、「司令官は凍り付いたような表情」を見せた原因を、受け止めて頂きたいと思います。

世界に向けて、日本を主張するために!


瀬戸健一郎(せとけん)
Kenichiro Seto (Setoken)
日本維新の会
Japan Resotoration Party
参議院比例区第23支部長(全国)
Director, Proportional Representation District 23
House of Councillors