小さい頃は自己の痛みだけだった
成長するにつれ
他の命の
痛みを
重みを
知っていく
そして命の大切さを習っていく

小さい頃は自己の涙のみだった
成長するにつれ
他へ涙が流れ
涙の色を
温度を
知っていく
そして思いやりを習っていく

他の行為で心が痛む
痛むことは知っていること
笑えるからこそ泣ける
人が人であるために大事な感情
だから
痛むこと
それは
強く人として生きているということ

仕事が忙しくあっという間に数ヶ月過ぎた。
私はあれから仕事で家を空ける日が続いた。

桜もちり
今は青々葉っぱが茂っている。
でも、まだ小屋は外に置いてある。
母が未だにおいて置きたいと言うのだ。
道から見える犬小屋。

今日の朝
家を出たところで
知らないおじさんに声をかけられた。
「犬は亡くなったの?」
「よぼよぼしていたから心配だった」
と。もう数ヶ月経ったのに
心配してくれていたのだ。
私は面識がなかったけど。
その人の犬のお友達だったみたい。
私はちびの最後を話した。
おじさんは、さびしそうに歩いていった。

私は思い出し、悲しくなった。
だけどそれ以上に、
覚えてくれるている人がいてくれたことが
嬉しかった。

今もまだ置いてある犬小屋。
いつになったら片付けるのだろうか。
主人のいない犬小屋。

思っていた以上にショックを受けている自分がいた。
気づくと、
屋根に上っている私がいた。
暖かい日差しを浴び、転寝をした。


一度だけ一緒に海に行った。
そして君は物思いに沈んでいた。
海に何を感じたのだろう。
何を思い出したのだろう。
帰りの車は、
酔って大変だったチビ。


だけど、出かけたことよりも
何気ない毎日に愛くるしさを感じた。
明日という日も、
一週間前まで繰り返されていた当たり前の日々が
終わりを告げ
チビのいない時間だけがたっていく。
時間と共に空いていく穴を埋めるが如く
何でもなかった日を思い出す。
当たり前な日々が
永遠の思い出となった。


はるのほころび-チビ



はるのほころび-チビ

なぜか、物思いに沈んでいたチビ。

ありがたいことに本日も仕事で遅くなり御前を回ってしまった。
仕事をしていれば平気。


チビの旦那だったジョンはずいぶん前に亡くなった。
亡くなってからチビは変わった。
ジョンが生きていた頃は行きたがらなかった裏庭。
よく昼寝をするようになった。
そこはジョンが眠っている墓の近く。
馴れ合うようにチビはそこにいた。
一度も悲しい素振りをみせなかった。
だけど知っていたチビ。


今日はじめてお線香をあげた。
認めることが怖かった。
辛かった。
心のそこで認めていない自分がいた。
まだ辛いけど
あげることによって言えた。
おつかれさまでした。


言える言葉が増えた。
ありがとう。
お疲れ様でした。


はるのほころび-ちび

仕事が終わった後で、穴を掘った。
1メートル掘った。
雪はほとんど溶けていた。
骨を埋めたかったから。
場所は、桜の見える場所。


チビは野良犬だった。
昔、人に虐められたらしく人には近寄ってこなかった。
だけどその当時飼っていたオス犬のジョンにちびが惚れこんで、
近くに居ついてしまったのだ。
そして一緒に飼うことが始まった。
小さい頃から人が飼っていたジョン。
野良犬として過ごしていたチビ。
雷が怖くオスの癖に逃げ回るジョン。
それを面白がってみていたチビ。
あまりの怖さに網戸をぶち破り家に侵入していたことさえあった。
逆に車が好きだったジョン。
車が大の苦手だったチビ。
また捨てられることを恐れていたのかもしれない。
二人の正反対な性格が面白くかわいかった。


土をかけながら言った。

また会おう。

今度も宜しくね。

私は涙ながら微笑んだ。


今度埋めた場所に、花を植えよう。




はるのほころび-ジョン
プレイボーイだったジョン




本来はこれから書くようなキャラではないし、こういった内容の物は書かないつもりだった。ただこれからブログを再開しようとした矢先に起こってしまったので、キャラ違いとわかりつつ思いのたけを書くことにした。それなのでちょいとまだしばらく復帰には時間かかるも。今日の今日のお話なので


 3月10日、昨日の晩より雪が降っていた。そのうえ、仕事の関係で珍しくいつもより1時間以上早く起きなければならなかった。しかしそれ以上に早く起されてしまった。愛犬のちびが脱走したというのだった。親も仕事に出かけなければならないと、探したが見つからなかったと言い残し出て行った。私もボケが始まっている老犬で心配だったが、そのまま寝てしまった。


 しかし気になり早めに家を出た。自転車でちびを探すためだ。すると5分もしないで見つけることができた。道路の端に雪と共にいた。元々白い雑種だった、歳と共に黄色くなっていた毛並み。雪の塊であったほしいと強く思った瞬間だった。そしてそっと自転車の前籠に乗せた。初めて嫌がらないで乗った。生きている時だったら暴れて乗りたがらなかった場所。生きているときだたったらきょろきょろした目はつぶっている。まだ体は冷たくなっていなかった。まだ硬くなっていなかった。家に持ち帰り、小屋の前におきいつもの毛布をかけ、お帰りと言い、そして私は仕事に行った。

 運が悪いことに、こういう日に限り珍しく残業になり御前を回りやっと家に着いた。ポストには市役所からの狂犬予防の知らせが入っていた。もう必要ではなくなった葉書。そして冷たくなったちびと再開した。硬くなったちびを触った。私がいても目を閉じたままのちびがいた。いつもだったら、ジャーキーをくれとせがむ姿はなく、ただ寂しく防犯用ライトだけが反応した。


 お風呂の中でも泣いていた。泣き崩れていた。泣いた合間に思う。なぜ最初に起されたときすぐに探しにいなかったのだろう。なぜ昨晩の夜にちびを撫でにいなかったのだろう。撫でに行けばドアの閉め忘れぐらいすぐ気づいたはずなのに。なぜが出てくると泣き、泣き終わるとなぜがでてくる。どんなに悔しさがでようが何も変らないと理解していても、なぜ、なぜと思う。そして今にいたる。だけどなぜ以上にある想い、朝からずっと変らない想い、たとえありきたりでも言いたい言葉。ありがとう。悔しくなろうが、温かい気持ちで言える。ありがとう。だから明日も朝もどんな顔でもありがとうと言おう。



若い頃のちびちゃん

はるのほころび-ちび