180fc58c.jpgサッカー日本代表監督人選が佳境を迎えているようだが…














日本サッカー協会の小倉純二会長は2日、岡田武史監督の後任となる次期日本代表監督の候補者を3人に絞ったことを明らかにした。具体的な名前は出さなかったが、いずれも外国人とみられる。海外で人選に当たり、一時帰国中の原博実強化担当技術委員長が、近く再渡航して条件など最終交渉を行い、8月半ばにも決定する方針。

小倉会長によると、原委員長はすでに候補者と直接交渉し、待遇などを伝えた。3人とも日本代表の指揮を執ることに興味を持っているという。小倉会長は「どの人も立派な方なので、決まってもらえればありがたい」と話した。2010年08月02日21時01分 / 提供:毎日新聞






次期日本代表監督の有力候補とされていたチリ代表のマルセロ・ビエルサ監督(55)がチリ協会と契約を5年間延長することで合意した。チリ協会が2日発表した。
日本協会は次期代表監督候補を3人に絞り込んだが、ビエルサ監督はその1人とされていた。小倉会長は「チリ協会と交渉しているので難しいと思っていた」と話した。2010年08月04日08時22分 / 提供:スポニチ







W杯で盛り上がった熱をそのままに、さらに日本にサッカーブームを…
というのは理解出来るが、監督選びに果たしてビジョンはあるのだろうか?




そんな折りも折り、少し前に書かれたサッカーコラムを見つけた。



【加部究コラム】結果とビジョンはイコールではない


加部究
スポーツライター。ワールドカップは1986年大会から6大会連続して取材。






英国のライター、ジョナサン・ウィルソンは、自著「サッカー戦術の歴史」の中で、1960年代のイングランドについて、こう述べている。
「世界は技術を進歩させ、ますます洗練されていく守備パターンや、流動性を考えていたが、英国のフットボールだけは多少巧妙さに欠ける自分流のやり方で一人旅を続けた」

要するに当時のイングランドでは「直線的に素早くゴールを狙うダイレクトなフットボールの方が効果的だ」という主張が目立ち、それを実践したアルフ・ラムジー監督のもとで66年自国開催のW杯を制した。
だが一方で、この優勝があったから、イングランドの進歩は止まったという説も根強くあったそうだ。そこがサッカーの難しいところである。W杯で優勝したのだから、イングランドは究極の結果を手にしたことになる。しかし最高の結果を前にしても、これではいけないという声が出る。英国メディアの真髄かもしれない。

実際イングランドは、衰退の一途を辿った。初優勝に導いたラムジー監督は、大きな勲章を手に長期政権を敷くが、74年大会の予選では史上初の地域予選敗退という屈辱を味わい解雇される。結局サッカーの母国は、74年、78年と2大会連続してW杯出場を逃し、長い低迷に陥るのだった。

おそらく南アW杯で、岡田監督以上に日本代表を好成績に導けた指導者はいなかったと思う。カメルーン戦やパラグアイ戦が守備的で勇敢さに欠けたと国際的には酷評されたが、現状の日本の戦力で結果を求めれば、たぶんあの方法しかなかった。
例えば、今大会で絶賛されたドイツでも、スペイン戦ではすっかり腰の引けた試合をしている。どんな志を持っていても、どうしても相対的に守備に重きを置かざるを得ない試合はある。そういう意味では、日本は9位という成績を残したが、世界で9番目の実力を証明したわけではない。W杯の決勝トーナメントで内容的にも互角以上の攻撃的な試合を実現するためには、そういう選手たちを育てていくための明確なビジョンが必要になる。

危険なのは、日本サッカーが代表チーム主導で進みがちなことだ。トルシエがフラット3を導入すれば、彼のコンセプト抜きに、瞬く間に少年サッカーの現場も3バックばかりになった。南ア大会を終えて、まだ間がないが、案の定巷の学校サッカーでは、低めの最終ラインにアンカーを配したチームが目につくようになった。
かつてドイツは3バックで、マンツーマンという時代が長く続いた。だが2000年の改革を経て、日本で言えば技術委員長に相当するマティアス・ザマーの主導で、全てのチームが4バックのゾーンで戦うことを義務づけた。

肝心なのは、日本協会が結果とは別に、この国のサッカーの進むべき道を示すことだ。岡田監督は土壇場で方向転換をして結果を出した。しかしサッカーでは、結果が出たものが全て正しいとは限らない。レアル・マドリードやバルセロナでは、リーグ優勝を飾っても解任された監督がいる。特に育成年代のチームの多くが、岡田監督の苦肉の応急措置を真似るようでは、追いかける立場として健全な成長は望めない。

例えば、ベスト16に進んだW杯と、グループリーグで敗退したU17W杯では、どちらが世界に近かったのか。功績は最大限に讃えていい。しかし日本サッカー界には、それとは切り離した冷徹な検証と指針が必要だ。







私は決してサッカーに詳しくはないので、
外から遠巻きに見ている立場である。




だからこそ逆に、冷静に「スポーツの常識」という一般的観点から、
原則論で見られているという意味では、その素朴な疑問が間違っていないと思っていた。


それが、専門家から見てもそうなのか、と、
このコラムを読んで、ちょっと安心した次第である。







サッカーに詳しくない立場から云わせていただくと、
サッカー戦術で一般の多くの人が初めて認識したのは、トルシエ監督の「フラット3」であっただろう。


意味も分からず、「フラット3」という言葉だけは覚えたものだ。




次のジーコ監督は、特に彼ならではの戦術は語られる事は無く(いや、あったかも知れないが、一般レベルまでは知るに至らなかった)、
一体何をやろうとしているの?と思いながら、いつの間にか本大会は終了した。






そして再登板になった今回の岡田監督。





何となくはやろうとした戦術は伝わって来たものの、素人には明確に伝わらないレベルで、
練習試合で結果が悪かったものだから、大幅に戦術を変えてフォーメーションを変え、
フォワードを本田選手のワントップにして…





…くらいまでは、理解出来た。




で、結果としてはまあまあの御の字の成果。





しかし、ここまで何をやろうとしているのかが不明確で、
ましてや監督が代わるたびに日本のサッカーが変わり…




で、果たして良いのか?


日本のサッカーとしては、こうあるべき、これを目指す、というものがあって、
初めてそれに合致する監督人選が進められ、コミュニケーションをとって、
お互い了承の下、決定した監督と協会が共に戦って行くものではないだろうか。






…、と感じていたので、加部さんのコラムは正にそうだな~と感じたのである。






結果が良いのは結構なことだが、
結果さえ良ければ全て良い、とはならない。




協会でも誰でも良いから、日本サッカーはこれから「これ」を目指しますって、
誰か説明してちょーだい。








冒頭の写真は、先日訪れた行きつけのバーにて、


「あたしの顔見てイメージして、何かカクテル作ってちょーだい」


という、いかにもベタなオヤジ的要望を女性バーテンダーの方に。





それで出て来たカクテルが、これ。



「バカラ」というカクテルだそうで。




どういうイメージでこれを?、と尋ねたら、



「何となく爽やかなイメージだったんで」



だって。








……このねーちゃん、完璧にダマされてますな。



このオッサン、中身はドロドロでっせ~